2021.04.29
# マンガ

都会→ガチ田舎に引っ越した40歳元編集者が、結局「プチ田舎」に行き着いたワケ

クマガエ

米を作っていればなんとかなる

――それじゃあ、外食の機会も減ったのでは。

クマガエ:だいぶ減りましたね。無農薬って安全面の良さもありますが、素材そのものの味が濃くてパワフルなんです。外で味気ない米や野菜を食べるなら、家で食べたほうがいいねって自然と外食をしなくなりました。今は仲間たちと味噌をつくったりもしています。

それから、よく田舎はエンターテインメントが少なくて物足りないのでは、って聞かれるんですが、そこもあまり気になりません。

確かにイベントなんかは都会での開催が多いので行きづらくなりましたが、僕にとって一番のエンタメが農業ですから。種から発芽すると、「こんな小さな粒から芽が出て、あんなに大きく育つんだ」って、めちゃくちゃテンションが上がる。その瞬間の感動は何年経っても変わらないですね。

おそらく農業が本業だったら、そんな悠長なことは言ってられないでしょう。プチ田舎で半農半Xだからこそ、味わえる喜びなのだと思います。

 

――半農半Xの「X」は見つかったんですか。

クマガエ:会社を辞めた時は何も考えていなかったんですが、知り合いから声をかけていただいてフリーランスで漫画編集の仕事をしています。

月に1、2回は東京に行きますが、基本はリモート。なんだかんだ言ってこの仕事が好きなんだなって思っています。でも、ずっと続けたいわけではありません。

場所も今のところにこだわっているわけではなく、もし元気で刺激があるような田舎があれば、また移住するつもりです。大磯・二宮など神奈川の西湘エリアは意外と田畑が多くて気になっている地域ですね。

家族が増えれば移住の条件も変わってくるだろうし、外房の古民家みたいに合わなかったとしても、失敗は次に活かせる。そうやって自分の半農半Xにとっての理想の地を見つけられたらと思っています。

そう思えるのも、米を作っているからかもしれません。不思議ですが、収入が減っても、自然災害で物資が届かなかったりしても、自分で作った米があるから生きていける、何とかなるって安心感があるんです。

自分で汗水たらして食べ物を作っていることから得られるこの気持ち、人間にとって腹を満たすってすごく大事なことなんだなって感じています。

今年も田植えの季節到来です。興味をもたれた方はぜひ一度、米作りを体験してみてください。

取材・文/中川明紀

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