2021.04.29
# マンガ

都会→ガチ田舎に引っ越した40歳元編集者が、結局「プチ田舎」に行き着いたワケ

クマガエ

引越し先の古民家に現れたG

インタビューに応えるクマガエ氏

――移住するにあたっての家はどうやって見つけたんですか。

クマガエ:家探しは難航しましたね。貸し田んぼを通じた知り合いのつてを頼ったりして空き家を探したんですが、どこも荷物やゴミが放置されたままの荒れた家ばかり。

他にも「この部屋は使っちゃダメ」とか「この荷物は動かさないでほしい」といった条件付きの物件も多く、知人の体験ですが「お盆は親族が集まってここで宴会するから、その時期はいないでほしい」という無茶な話もありました。そんなの自分の家とはいえないじゃないですか。

空き家バンクに登録している物件でも、大家さんが物件から離れたところに住んでいて来るのが面倒だから、買うことが前提でなければ内見させないなんて話も聞いたことがあります。リフォームしてから貸すような町もあるので自治体によって違うんでしょうけれど、制度としてはまだまだ成熟していないように感じます。

最終的には、別の移住者が「部屋が空いているからどうぞ」と言ってくれて、その人が借りていた築100年近い古民家を間借りすることになりました。引っ越すことによって「物理的に通えない」という理由で、会社も前倒しで辞めることができ、腰を据えた生活が始まりました。

――いよいよ、念願の田舎暮らしのスタートですね!

クマガエ:ところが、現実はそれほど甘いものではなかったんです……。

新居は自然に囲まれて隣の家ともけっこうな距離がある「ガチ田舎」で、喧騒とはかけ離れたゆったりしたところですが、逆を言えばなにもない。まず、娯楽施設はもちろんカフェもなく、気分転換するところがありません。家も設備が古く、お風呂は水をためてから沸かす風呂釜式で、シャワーもありませんでした。

一方で、海風をうける外房エリアだからなのか、田んぼに囲まれているからなのか湿気がすごくて、段ボールに入れていた靴やカバンにカビが生えてしまい捨てる羽目に……。初夏に引っ越したんですが、エアコンもなかったので夜は寝苦しかった。

 

それでも、設備は替えることができるからまだいいんです。まいったのはあちこちに生息している昆虫。特にゴキブリは完全に土間を住処にしていて、人間がきても我が物顔で逃げないんですよ。土間にいくたびに顔を合わせて、「ひいっ!」って心臓をキュッと掴まれるような恐怖を感じていました。

間借りだったこともあって思った以上に心身が休まらず、そのうちに妻の持病が悪化してしまった。田んぼには自転車で約10分と近かったのですが、住居を考え直すことにしました。

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