意外と知らない「弁護士に頼むべき離婚、そうでない離婚」の違い

「自分でできる、ネットでわかる」の罠
堀井 亜生 プロフィール

自分が離婚したくない場合

夫から離婚を切り出されたBさん。夫は「今離婚してくれるなら持ち家はあげる、ローンもこちらで払う」と言っていて、Bさんも離婚するなら今の家に住み続けたいと思っていましたが、離婚されるような理由がないのと、家だけをもらっても生活できないと思って拒否しました。

すると夫は家を出て弁護士に依頼して、離婚調停を申し立てました。その時にも「持ち家を渡すから早く離婚してほしい」と提案されましたが、やはりBさんは納得が行かず断り続けました。

調停は不成立に終わり、離婚の裁判を起こされました。裁判になって初めてBさんが夫婦の財産の全体像を知ったところ、持ち家の価値は本来もらえる財産分与の金額よりもはるかに高いものでした。

この時点で別居が長く続いていたので、判決でBさんは敗訴することが確実でした。ようやく「やはり家をもらって離婚する」と考えを改めたものの、時すでに遅し。ここまで長引いてしまったことで夫の側に持ち家を渡すメリットはなくなってしまい、適正額しか渡さないと言われてしまいました。結局、Bさんは当初より悪い条件で離婚することになってしまいました。

 

解説

自分が離婚したくない場合も、弁護士に頼むべき案件です。

離婚を拒否し続けるだけなら弁護士に頼まず自分だけでできると思いがちですが、Bさんの場合は適切な知識がなかったためにこのような結果になってしまいました。
適切な知識とは、別居が継続したらいずれ離婚されること、本来もらえる財産分与額の額の二点です。Bさんはそれらについて知らなかったため、条件の損得が判断できなかったのです。

弁護士に相談すれば、この二点については説明を受けることができます。さらに、一般的には、裁判まで行くと、勝てるとわかっている夫は譲歩しなくなるので、離婚の条件は悪くなっていくという助言ももらえたはずです。そうすればBさんも、裁判になる前に離婚した方がいいという判断をすることができました。

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