フランスと日本に暮らして気づいた、親が「子供の読書に求めるもの」の違い

大野 舞 プロフィール

ただ、実際にページを開いてみて驚くのは、この主人公の女の子の性格の悪さだ。それを小学生が読むということに関しては、親たちの中でも意見が分かれている。いわゆる「良い子」のモデルから外れた主人公の言動に引っかかる親がいるというわけだ。日本ではクレヨンしんちゃんが親たちの間で賛否両論だったのと少し似ているのかもしれない。

 

我が家の娘も例に漏れずこのシリーズが大好きでたくさん読んでいたが、いつからか、なんだか口答えが多くなり、言葉遣いも少し悪くなった。そこで、いくらか迷った末に、(強い根拠はないが)このシリーズを全部いったん取り上げたことがある。

子供の読書について、こうした教育的配慮から本の取捨選択をしてしまうことには、迷いがある。子供が単純に「面白い!」と思って没頭するのであればそれが一番だと言われればそういう気がするからだ。作家の恩田陸さんのエッセイに「面白い本は全てエンタメ」という言葉があり、非常に納得したことを思い出す。そんな彼女は純文学もエンタメ小説も漫画も「同じように読んでいた」と言う。

最近はロアルド・ダールの『マチルダは小さな大天才』を読み始めた娘。このマチルダも(親が相当ひどいという設定はあるが)いろんないたずらを繰り返す。こうしてアデルもマチルダも、そしてBDも小説も、いろんなジャンルの本をなんでも楽しそうに読んでいる彼女の姿を見ると、そろそろアデルも返してあげていいような気がしてくるのだった。

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