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なぜ日本は「バック駐車」が主流なのか?その理由に隠された「意外な不安要素」

軽自動車が売れる理由も納得?
渡辺 陽一郎 プロフィール

N-BOXが売れている理由

軽自動車は日本の道路条件や駐車事情を考えて開発されるから、ボディが小さいだけでなく、ボディスタイルも縦列駐車や車庫入れがしやすくなっている。具体的には各車種ともサイドウインドーの下端が低めだから、側方と後方が見やすく、外観が水平基調の車種が多いから、ボディの四隅も分かりやすい。

海外向けに開発されたSUV、セダン、クーペには、ボディが大柄な3ナンバー車で、しかも側方や後方視界の悪い車種が多い。軽自動車に比べるとサイドウインドーの下端が高めで、しかも後ろに向けて持ち上げるから(ウェッジシェイプなどと呼ぶ)、後方を振り返っても後ろ側がほとんど見えない。

この悪い視界を補うため、カーナビのモニター画面に、後方やボディ周囲のカメラ映像を表示できる車種が増えた。ただしモニター画面はインパネに装着されるから、ドライバーは前を向きながら後退することになる。モニターの視野は人の目に比べて大幅に狭く、左右方向から急速に接近してくる自転車などを見落としやすい。

 

つまりモニター画面を装着するなら、本来はドライバーが振り返った状態で見られるように車内後部の天井などに装着すべきだが、そのような装備はない。

結局のところ、後方視界の優れたクルマは安全性が高く、見にくいボディには危険が伴う。最近は衝突被害軽減ブレーキを備えたクルマが増えて、安全性が向上したから喜ばしいが、視界に関しては今でも安全の劣るデザインが採用されている。

メーカーとしては、視界を犠牲にしても外観をカッコ良くして大量に売りたいわけだが、国内販売のナンバーワンは、視界の優れたN-BOXだ。販売統計上はヤリスが国内の最多販売車種だが、この登録台数には、コンパクトカーのヤリス、スポーツモデルのGRヤリス、SUVのヤリスクロスがすべて含まれる。

少なくともヤリスとヤリスクロスでは、外観、全幅の数値、カテゴリーが明らかに異なるので、登録台数を別々に算出するとN-BOXの方が多くなる。

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