# ドラマ

大詰めで急速に支持を集める朝ドラ『おちょやん』、これまで過小評価されてきた理不尽なワケ

木村 隆志 プロフィール

世帯視聴率を使うメディアの時代錯誤

ではなぜ、これほどの作品が過小評価されてしまったのか。多くの責任はメディアにある。確かに『おちょやん』の世帯視聴率が近作と比べて低いのは間違いないだろう。

しかし、スタートの第1週から近作より2~5%も低い17%台だったのだから、作品の質ではない何らかの他の原因があるはずだ。

その最たるものは、コロナ禍でスタート時期が大幅に遅れ、あわただしい12月になってしまったこと。それをフォローするためのNHKによるPRも不十分であり、年末でエンタメニュースの多い時期のためかメディアの動きも少なかったなど、スタートからかなりの不利を受けていた。

 

さらに放送がはじまってからは、世帯視聴率の低迷を指摘するメディアがその不利に追い打ちをかける。スタート時点での不利や見ている人々の評価を無視して、低世帯視聴率を指摘する記事を連日報じた。

その世帯視聴率は、すでに民放各局の営業現場でほとんど取引に使われないレベルのデータに成り下がっている。また、録画機器が発達したほか、昨年スタートした番組同時配信アプリ「NHKプラス」も加わったことで、ますますリアルタイム視聴が減る中、そんなレベルのデータを持ち出すことにほとんど意味はないだろう。

ネットメディアとドラマの親和性は高く、エンタメ記事の多くを占めているが、業界内では「勝ちドラマを称え、負けドラマを叩くのが最もページビューを取れる」と言われている。ところが「勝ち負けを決める判断材料が世帯視聴率」という基準は時代錯誤であり、昭和から続くメディアの悪癖にほかならない。

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