もっと友達と遊びたくて

「2年前、新しい種目をたくさん飛び始めた時です。親にやめたいと言ったことがありますけど『どうせやめられへんやろ』と言われました。正直、今でも練習に行くのは嫌です。練習がハードだからっていうのもありますけど、そこまでオリンピックを意識して始めたわけでもないので、もっと友達と遊びたくて

トレーニングは確かに過酷だ。平日は1日4時間、週末は8時間。陸上でのランニングや柔軟から始まり、トランポリンや陸地での宙返り、ウェイトトレーニングなど、たった2秒の演技のために多くの時間を費やすのだ。私もかつて全く同じ思いを抱いていたため、玉井選手の気持ちには大きく共感できた。玉井選手は、日の丸を背負う選手であっても、自身の意識は青春真っ只中のごく普通にいる中学3年生なのだと感じた。しかし、それでも過酷な練習を続けられるのには理由がある。

写真提供/JSS宝塚
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「試合でいい結果がでると続けてきてよかったと思う。祝ってくれる人がいると嬉しいですね。オリンピックではまだメダルがないので、メダル争いがしたいです」

厳しい練習の日々を過ごす中でも、成績を残した時の喜びは何にも代えがたい。明るく話す玉井選手はこの一年で大きく成長した。身長は10cm伸び、体重も10kgほど増えたという。声変わりも終わり、インタビューを見ても随分大人になった印象を受ける。演技はよりダイナミックに変わり、ノースプラッシュの美しさは相変わらず健在だ。身体の変化が演技に大きく影響する中で、玉井選手には心の変化もあった。