「制服を盗め」「盗撮しろ」…性犯罪に加担させられる妻たちの「深すぎる苦悩」

阿部 恭子 プロフィール

和也が、女子高生のわいせつ画像や制服などを収集していたことは、香菜も気が付いていた。

「私が勤める学校の運動部の子たちは、体操着のまま通学する子もいて、制服を学校に置きっぱなしだという話をしたとき、その制服を持ってこれないかと言われました……」

とんでもない要求に、何と答えたのか尋ねると、

「まさか、盗むなんてできませんから、ネットでそういうものを売っているところがあると知って、買ったものを渡しました」

正直、呆れてしまった。なぜ、そこまで屈辱的な要求に応じようとするのか。

 

「私では彼の性的欲求は満たせないので…、そういう気分になるものがないと、子どもを作る気にはなれないと言われて……」

香菜は結婚願望が強く、30歳までには必ず結婚して子どもが欲しいと思っていた。同じ職場の男性と付き合う気持ちは起こらず、仕事以外で男性と出会う機会もなかった。容姿に自信がなく、自分から積極的に男性にアプローチすることができない香菜にとって、和也は初めてできた恋人であり、最初で最後の相手だと思っていた。

しかし、これ以上関係を続けても和也の犯行は止まらず、社会的信頼や財産を失うのも時間の問題である。長年コツコツ貯めてきた貯金も、事件の処理に使い果たしてしまっていた。

もっと自分を大切にする選択を考えてみたらどうかと言うと、静かに頷いた。和也は裁判で実刑判決を受け刑務所に収容されることになり、香菜はようやく離婚を決意した。

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