〔PHOTO〕iStock

なぜEUは今このタイミングで「AI包括規制」に乗り出すのか

米国巨大IT企業への包囲網が着々と

EU(欧州連合)の行政機構に当たる欧州委員会が今週、AI(人工知能)のビジネスや行政、司法への活用に関する包括的な規制案を発表した。法制化までには今後数年を要すると見られるが、一種の青写真として今後日本や米国をはじめ諸外国の参考資料になる可能性もある。

https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/library/proposal-regulation-european-approach-artificial-intelligence

Gettyimages

AIを人間の監督下に置く

規制の対象となるAIは極めて広範囲に及ぶ――自動運転車、街中の監視カメラ、入試の合否判定、企業の採用活動や人事評価、金融機関の与信システム、裁判の判決、等々。言わば社会の安全や人生の節目に関わる様々な分野に導入される人工知能が、その開発や利用の仕方に制限を課せられることになる。

規制は4段階に分けて施行され、たとえば「警察による顔認証システム」など市民生活に対する最大の脅威となるAIは禁止される。それより下のリスクと判定された3つの段階では、各々AIについての情報開示が求められる。

具体的には、EU域内で各種のAIサービスを提供する企業等は、そうしたAIの安全性を証明する必要がある。そのためにAIが下す意思決定の仕組みを説明し、そのリスクを客観的に評価した文書をEUの規制当局に提出する。この文書ではまた、AIが最終的には人間の監督下に置かれる事も保証しなければならない。

 

以上のような規制に企業が違反した場合、最大で30万ユーロ(約39億円)または世界全体における年間売上高の6%のうち高い方が罰金として徴収される。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら
編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/