『鬼滅の刃』ブームとは何だったのか…アニメファン以外からも絶大な支持を得たワケ

小新井 涼 プロフィール

アニメファン以外への接触チャンス

原作漫画の話題が増え始めたことに加え、この時期の特徴的な出来事に、“アニメ・漫画ファン以外の一般層”にも『鬼滅の刃』という作品や、その人気が知られる機会が増加したことがあります。

ひとつの原因として考えられるのが、タレントの椿鬼奴氏が連載開始当初からの大ファンであることがバラエティ番組で周知されたことを筆頭に、その後人気が広がるにつれ、田村淳氏や加藤浩次氏といった著名人が次々と本作に手を伸ばしていると話題になったことです。

このことは、それを見てすぐに手を出さないまでも、普段アニメや漫画関連の情報にあまり触れない人にも、「そんなに人気の作品があるんだ」と、『鬼滅の刃』を認知させるきっかけになったと思います。

年末にかけてはYahoo!検索大賞2019やTwitterトレンド大賞2019にて軒並みアニメ部門賞を受賞することで、「2019年アニメの顔」としての認識も広がりました。加えて、前述した各コミックランキングでの上位独占や書店での品薄状態などを受け、12月ごろからは各種報道番組でも、本作の人気に関する特集が増加し、そうしてテレビで取り上げられる度にSNSで話題になって盛り上がりが益々伝播していく連鎖反応も生じます(表2参照)。

 

ここで注目なのが、それらの報道の中で、タレントの加藤浩次氏が本作を娘さんからオススメされたということが話題になった点です。この時期同じように、子供や会社の同僚から薦められたといって本作に触れ始める人が増加し、それも“普段アニメや漫画にあまり触れない層にも本作が広がっていく”きっかけとなっている様子が見受けられました。

残酷な描写や特殊な用語はあるものの、大正時代というわかりやすい舞台設定や、兄弟や家族の絆といった普遍的な魅力も多く、薦める側にとっても布教しやすいし、薦められる側にとっても入り込みやすい作品であるのも大きかったのかもしれません。

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