NHK提供

“8億年前の地球大異変” 月探査から浮かび上がった驚きの真実とは

月が教えてくれたこと

地球の大異変といえば、後期重爆撃と呼ばれる隕石大量落下イベント(~38億年前)や、ビッグファイブと呼ばれる5回の大量絶滅イベント(4億4千万年前~)が良く知られている。しかし、そのどちらでもない時期(8億年前)に、想像を絶する大異変が起きていた可能性が浮かび上がってきた。地球に大量の隕石が落下、その量は恐竜を絶滅させた隕石の最大60倍に及ぶという。

教えてくれたのは、私たちにとって最も身近な天体、月。きっかけは、日本の月周回衛星かぐやのデータだった。研究を率いた大阪大学の寺田健太郎教授も、「30年近く研究をやっているが、これほどわくわくしたことはなかった」という。データや論文に向き合う日々。突然訪れるひらめき。そして見えてきた壮大なシナリオ。ロマンあふれる研究の舞台裏に迫った。

研究論文は2020年7月22日、イギリスの科学誌Nature Communications(オンライン)に発表。以下は、その発見をテーマにした、コズミックフロント「8億年前の地球大異変 月が教えてくれたこと」(2021年4月8日放送)の抜粋である。
8億年前 地球にシャワーのように隕石が降り注いだ(NHK提供)

始まりは悲願の月探査計画「かぐや」

2007年に打ち上げられた月周回衛星かぐやは、アポロ以降最大の月探査ミッション。これまでアメリカ航空宇宙局(NASA)の探査データを使うしかなかった日本の惑星科学者にとっても、悲願の計画だった。様々な観測装置で月面全体を調べ上げ、地形や岩石に関する膨大なデータを入手。垂直な壁を持つ縦孔の存在、純粋な斜長石からできた岩石など、新発見が次々ともたらされ、現在の月開発ブームにつながっている。

しかし、今回の発見で活躍したのは、カタログ作りのような地道な作業によって蓄積されていた、「あるデータ」だった。

月周回衛星かぐや 10種類以上の観測装置を搭載したマイクロバスほどもある大型の探査機(NHK提供)
 
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