SNS特有の「いじめ発火」のしやすさ

「よく『いじめられる子にはいじめられるだけの理由がある』とかいう人、いるけど、俺はそうは思わない。理由なんかなくたって、ほんとにちょっとしたことがきっかけである日、突然いじめって始まるし、いじめてた側がいきなりいじめの対象になったりもする

正直、俺だって怖いよ。いつ何がきっかけで誰かにターゲットにされるかわかんないから」(息子)

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SNSやチャットがきっかけで、いじめやトラブルが起こることってある?

「ネット関係はもめ事やいじめのきっかけになりやすいとは思う。俺の友達っていうか、だいたいのやつって普段は平和的なんだよね。言い争いとか苦手だし、喧嘩したくないから、違うなって思ってもわざわざ指摘しないでスルーするっていうか。気まずい雰囲気になると、誰かが空気読んで話題変えたりとかして、基本、誰にでもフレンドリーなわけ。

でもネットだと人格変わっちゃうヤツもいて。リアルなら絶対、しないようなキツい突っ込み入れてきたりとか、いきなり毒舌芸人ノリでディスってきてびっくりする。学校ではすごく優しかったりするのにね。本人は自覚ないみたいけど、そういうのを嫌がる子は、リアルでも避けるようになっちゃって、ギクシャクしたりとか。

あとバトル系のネトゲにハマってるヤツらは、なんかよくモメてる。一緒のパーティを組む『フレンド』を切った、切られたとかで、学校でも口きかなくなっちゃうとかね。

いつもつるんでる友達同士でも、ネットでつながると脊髄反射で過激なこと口走ったり、キレて話の途中で突然、落ちちゃったり、激しめのリアクションしやすいっていうのはあるかもしれない。たいていは別に謝ったりしなくても、しばらくたてば、自然に元通りになれるんだけど、なかにはそれが原因でグループからはずれて、『いじめられた』って被害者意識を持つ子もいる。

笑っちゃうような誤解も多い。こないだも遊ぼうぜって話してたとき、遅れてLINEに入ってきた友達に『お前、なんで来るの?』って誰かが聞いたら、『じゃあ行かねーよ!』ってキレちゃって。いやいや、来るなよって話じゃなくて『待ち合わせ場所までチャリ(自転車)で来る? 電車で来る?』って聞いたつもりだったんだけど、遅れてきた子は話の流れを知らなかったから、悪く受け取ったみたい。最初はみんななんでキレてるのか訳わかんなかったけど、LINEを遡ったら『そういうことか』って。ムズいよね、日本語」(息子)

ちょっとした誤解も起こりやすく、さらに、噂も過熱しやすい。加担するつもりはなくてもいじめの加害者になることもないとはいえない。photo/Getty Images

いつもは平和的な分、こうしたネットでの小さなトラブルがいじめなどの火種になることもあるという。

ネットが怖いのは、バッと盛り上がっちゃうところ。噂話も、リアルだとそれがよく知らない人なら『へー』で終わっちゃうんだけど、SNSとかで同じ学校の別学年の子でも『晒されてるらしい』とか話題になると、ネタ的にどんどん広がっちゃうんだよね。

俺だってつい気になって、えっ何それってわざわざ見に行ったこともある。それがいじめネタだったり人に見られたくない写真だったりしたら……。見に行った俺も、ある意味、いじめに加担しちゃってるかもしれない。今回の事件で、これはものすごい怖いことなんだって実感できたよ」(息子)