2021.04.24
# 政治政策

福島原発「水」の海洋放出、安倍前首相が「問題を放置し続けた」ことの大きな責任

そして、国民にも責任がある

放置され続けた問題

長らく懸念されつつも対応方針の定められていなかった東京電力福島第一原発構内のタンクに蓄えられていた「水」の海洋放出が決まった。この決定に対して地元の反発が大きく伝えられているが、一方で、「やっとか」との思いを抱いた人も少なくないだろう。

原発事故が起きて先月で10年を迎えたが、第一原発構内に流れ込む「水」は、事故が起きた当時から最大の問題となっており、長年、放置され続けた上での決定だ。いつか誰かが、なんらかの決断をしなくてはならないことは、当初から明らかだった。どのようなプロセスを経て、どのような条件で、誰によって決定されるのか、焦点はそこにあったが、日本政府のとった対応は、ただ漫然と放置し続けることだった。

福島第一原発、「水」が貯蔵されたタンク〔PHOTO〕Gettyimages
 

私は、福島県内の沿岸、いわき市に在住し、原発事故後、地域での放射線測定や対話集会の開催など、いわゆる復興活動にずっと携わってきた。このタンクに蓄えられていた「水」は、地域に重大な影響を及ぼすため、多くの人が関心を失ってきた間もずっと関心を払ってきたつもりだ。私がどのような認識でいたのかは、2019年と2020年に書いた以下の論考をご参照いただきたい。

今回の決定については、上記論考にあるように、私は、意思決定のプロセスにおいて、当事者や地元と双方向の協議をもっと行うべきであったと思っている。そして、その指摘は多くなされていたのに、政府が逃げ続けていた、いわば、怠慢による不作為であると認識している。

では、この不作為の責任主体は誰なのだろうか。

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