煩悩を抑制し、徳を積む。
クラファンは楽しい修行!?

左:ホームレス小谷、右:稲田ズイキ

稲田ズイキ 僕は、クラウドファンディングは現代のお布施だと思ってるんです。

ホームレス小谷 その感覚は、めちゃめちゃわかりますね。

稲田ズイキ お布施で一番大事なのは、見返りを求めないこと。その人のことをただ思う。ひいてはそれが自分のためにもなる。自分と相手の幸せをイコールで結びつけるのを良しとするんです。

ホームレス小谷 確かに僕も、見返りは求められていない。僕にしていることは喜捨だって、ある人から言われたことがあります。なぜか、小谷に寿司を奢ることで自分の小さな罪を帳消しにしたろっていう謎のルールが出来てるみたいで(笑)。僕からしたらラッキーでしかないんやけど。

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稲田ズイキ 贖罪は仏教にはない考え方ですね。仏教では、お布施は自分の徳を積む修行です。自己中心的な思いで汚れている心を、他者を思う行為できれいにして、苦しみのない状態、つまり仏に近づいていくということ。だから本来は「払わせてくれてありがとう」とお布施する側が感謝するものなんです。

ホームレス小谷 わかる~。僕、奢ってくださいって自分から言ったことはなくて。一緒に楽しく飲み食いしてたら、いいよ、いいよって、みんな気持ちよくお金を出してくれる。以前、店を出た時に、奢ってくれた人が一銭も出してない僕に「ごちそうさまでした」って言ってきたこともあったし(笑)。

稲田ズイキ それはすごい! 仏教では、物それ自体に善悪があるとは考えないんですね。だから、お金自体は良いものでも悪いものでもないんですが、お金があることで自分の欲望が刺激され、さらにお金が欲しくなってしまう。でも現実には欲しいだけお金が手に入るわけではないから、そのギャップに苦しむことになる。なので、煩悩を抑える訓練としてお布施をすることで、煩悩とうまく付き合っていけるようになるというわけです。

ホームレス小谷 身の丈に合わないほどお金を持ちすぎるのは良くないってことですね。実際、僕はホームレスになって、それに気づけたような気がします。これいる、これいらんって、はっきりわかるようになったから。

稲田ズイキ ホームレスっていわばミニマムな生活だから、自分らしいお金のサイズが見つかりやすいんだと思います。