数々のクラファン企画を成功させてきたホームレス小谷さんと、世の中の事象を仏教の視点で説く僧侶の稲田ズイキさん。ふたりの対話からクラファンの楽しさを紐解きます!

「みんなでやるのが大乗仏教のノリですね」
「クラファンはみんなでつくるドラマなんです」

左:ホームレス小谷、右:稲田ズイキ

ホームレス小谷 僕、お坊さんと会う機会がめっちゃ多いんですよ。

稲田ズイキ 引き寄せてるんだと思います。50円で雇ってもらって呼ばれた場所でなんでもやるという小谷さんの活動は、仏教的な世界観とかなり近いから。まずもって、ホームレスというのが釈迦の生き方と一緒ですからね。

ホームレス小谷 そうなんですか!

稲田ズイキ 釈迦は一国の王子として生まれたのですが、この世の苦しみをなんとかしたいと出家して、その後も「遊行」といって旅をしながら修行したんです。つまり小谷さんも修行している。

ホームレス小谷 キングコングの西野さんにおもろいからやってみろと言われてホームレスになっただけで、そんなイメージはまったくもってなかったです(笑)。

稲田ズイキ 仏教では自分の欲をどれだけ手放せるかが主題なのですが、小谷さんの生活はまさにそうですよね。自分で何をしようということではなく、他人に請われてどこへでも出かけていく。それがまさに仏教っぽいんです。

ホームレス小谷 自分では、そんなつもりはほんまになかった。食わしてくれる人がそのつど出てくるからやれてるだけで、そうでなかったらこんなん、続かないですよ。で、いろんなとこに行っていろんな人に会ってるうちに、いろんなことが気にならなくなってきて、ちっちゃいことには悩まんくなってしまった。

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稲田ズイキ 僕ね、自覚なく仏教的な行動をしている人のことを“野生のブッダ”って呼んでるんですよ。欲を手放す生活を通して心を自然と満たしていくって、やってることが完全に釈迦じゃないですか(笑)。

ホームレス小谷 !! 僕、釈迦の流れ、完全に踏んでますやん(笑)。

稲田ズイキ はい、釈迦の系譜っす(笑)。常に移動していたら、物もそんなに持てないじゃないですか。

ホームレス小谷 そう。僕、海外に行くときもリュックひとつなんですよ。必要があれば、そのへんの人に買ってもらえばいいしね。お金も物も持ってないけど、結構どうにかなるもんです。しかも僕、人にしてもらったことは絶対忘れないから。

稲田ズイキ 自分の欲望で手に入れる物よりも、他者の優しさがこもっている物の方が心に残りますよね。自分は他人に助けられて生きていると気づくことで、自己中心的な感情は抑えられます。それが仏教でいうところの「徳」。小谷さんの生活って徳積み放題じゃないですか!

ホームレス小谷 確かに何かしてもらったときには、人はこんなに優しいんかってつくづく思いますもんね。しかも思い出がいっぱいできて、めっちゃ楽しい。