ランチに誘われ…何か裏があるのか?

その後、なんとかバックパックにしがみついて目を閉じながら耐え続け……三半規管がぐらんぐらんの状態で、ザンジバル島にフェリーが到着した。目を開けて、島に降り立つと見たこともない独特の世界観が待ち受けていた。美しい海、生い茂るヤシの木……ここは本当にアフリカなのだろうか?

「無事着いてよかったね。よかったら一緒にランチだけでもしていかない?もしかしてちゃんと栄養摂れてないんじゃないかな?肌が凄く荒れてる。今日は栄養のあるもの何でもご馳走するよ」

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確かにここ最近、旅費を節約するあまりパンばかり食べていて、野菜や肉、魚が十分に摂れていなかった。肌が荒れて荒れてどうしようもない状態だ。

美青年、紳士で性格良し、ご馳走ランチ……行かない理由がどこにある? 私は警戒をしながらも、ジェイコブとランチに行くことにした。ジェイコブに案内されたのは、ザンジバル島の最高級リゾートホテルのレストランだった。え、このハイスペックでさらに裕福なの? まさにパーフェクトヒューマン越え……。

ザンジバル島のリゾートホテルは地元素材の天然木を使った上品な家具が多い。写真提供/歩りえこ

やっぱり何か裏があるのかもしれない。注がれるドリンク、料理、全てに目を光らせよう。毒物でも盛られて人身売買される可能性はゼロじゃない……。

私はご馳走を食べながらも終始ジェイコブの一挙一動に目を光らせ続けた。「大丈夫だよ、毒なんか盛ったりしないから。安心して食べて。君って本当に分かりやすいよね。酔い止めも毒かもと思って飲まなかったよね?考えていることが全部手に取るように分かるよ

私は思わず赤面してしまった。フェリーから今までの数時間、ずっと自分の心が読まれていたなんて……

学校に通うザンジバル島の子供たち。写真提供/歩りえこ