菅政権は耳を傾けてほしい…「国民が本当に求める、ワクチン接種の“本音”」

秦 正樹 プロフィール

日本人が“好む”ワクチンのタイプは?

どのようなワクチンが好まれているのかについて、その結果がこちらだ。

図1 コンジョイント実験の推定結果

図中の○はその要素が平均的にどのくらい選ばれやすいか(係数)を、○から横に伸びる線は、今回出た結果がどのくらいの誤差を伴っているか(ここでは95%信頼区間)を示している。大雑把に言えば、各要素に示された横棒の左限もしくは右限が、赤線で示す縦軸上の0値とかぶっていなければ、その要素は、ワクチン接種の意向に対して、偶然ではなく、およそ「意味のある」形(統計的に有意)で影響していると解釈できる。

たとえば、製薬会社がワクチン接種に与える影響について見てみよう。ここでは、ファイザー社製に比べたときに、各製薬会社のワクチンがもし好まれていれば、その○は0の赤線より右側(+の方向)、逆に拒否されている場合は0の赤線より左側(−の方向)に示されることになる。

すなわち、塩野義やKMバイオロジクスは、+の方向(赤線より右側)かつその左限が赤い線をまたいでいない。つまり、いわゆる「国産」のワクチンは、ファイザー社製よりも、かなり強く好まれていることを意味している。一方で、日本にも供給が予定されているモデルナ社・アストラゼネカ社のワクチンは、赤線よりも左側(―の方向)にあり、今度は右限が赤線をまたいでいないことから、ファイザー製に比べて接種が拒否されやすい傾向にあるといえる。

ロシアや中国製ワクチンに至っては、他の製薬会社よりも相当左側に寄っており、かなり強い拒否感を持っているといえる。同様の見方で他の属性も確認すると、ワクチンの有効性の高さに比例して赤線よりも右側(正の方向)であり、より好まれやすい傾向を示している。

 

続いて、接種回数の影響力について見てみると、2回接種を前提とするワクチンの場合に比べて、元から1回接種でよいとされるワクチンの方が好まれていることがわかる。やはり接種にかかるコストは低い方が望まれているようだ。

ただし、同じ1回接種でも”ワクチン確保の都合で”1回接種となる場合は接種を拒否する(負の方向)ようになる。つまり、自民党案のような1回接種化は、結果的に、全体の接種率を低下させてしまうことが懸念される。

副反応の確率は、同じことを伝える場合でも「割合(%)」で伝える場合に比べて、「人数」で伝えると、負の方向に統計的に有意である。つまり、副反応の可能性を「実数」で示されると、人はとたんに恐怖感を覚えるようになるようである。

最後の「主な接種者」については、どの人の場合でも赤線をまたいでいることから、接種意向に与える明確な影響は見て取れなかった。

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