詳報!M1版iMacとiPad Proに見るアップル「次の一手」

そしてAirTagに込めた戦略は?
西田 宗千佳 プロフィール

ミニLED採用の代償

ミニLED採用の代償として、iPad Proは前世代の機種に比べ、厚さが0.5mm増え、重量も40g程度増加した。

しかし、12.9インチiPad Proを求める写真家や映像制作者にとって、ミニLEDによる画質向上は、これらの欠点を補って余りある大きなメリットとなるだろう。映画などをタブレットで視聴して楽しむファンにも魅力的であるはずだ。

実機を確認できるまでは最終的な評価は差し控えるが、「持ち歩ける大きさの機器」としては、最も高画質なディスプレイを備えたものになる可能性が高い。

強化されたカメラ

iMacとiPad Proの両機には、現在のニーズに合わせた変更もおこなわれている。

「カメラとマイクの強化」だ。

この一年強でオンラインミーティングの機会が激増したが、ほとんどのノートPCが搭載しているカメラやマイクの品質は、そこまで優れたものではない。スマートフォンやタブレットを使ってビデオ会議に参加してみると、その差に愕然とするほどだ。

デスクトップPCにいたっては、いまだカメラがついていない製品も多い。ビデオ会議はかつて、特別な人だけがおこなうものだったが、いまや状況はまったく異なる。PCの機能強化が、この環境変化にまったく追いついていないのだ。

新しいiMacはこの点に対応し、搭載するカメラを「1080p対応」に強化した。既存の21.5型iMacの4倍の解像度をもち、明るさも改善している。

さらに、M1が内蔵している「イメージシグナルプロセッサ(ISP)」を活用し、画質も向上させた。M1に搭載されているISPはiPhone由来のもので、カメラを通して撮影した映像処理に強みを発揮する。

昨秋のMacBook Proでもカメラは改善されていたが、iMacでは内蔵カメラを強化することで、さらに画質を向上させてきたのだ。

【写真】新iMacではカメラも強化新iMacではカメラも強化

「いつもあなたをセンターに」

そして、もともと高い画質を誇っていたiPad Proのカメラでは、さらに踏み込んだ機能強化が盛り込まれている。

被写体となっている人物の姿を認識し、つねにフレームの中央に捉えたり、写っている全員を画面内に収める機能が搭載されたのだ。アップルはこれを「センターフレーム」(英語では「Center Stage」)とよんでいる。

【写真】iPad Proカメラ、広角化と「センターフレーム」機能搭載iPad Proでは、カメラを広角化したうえで、写っている人を中央に捉える「センターフレーム」機能を搭載した

前世代機と同じ120万画素ながら、新しいiPad Proのインカメラは広角化されており、より幅広い画角を捉えられるようになった。その広い画角からさらに人物認識をすることで、その人をフレームの中央に捉えられるよう工夫しているわけである。

この記事の冒頭で、アップルの戦略をひもとくキーワードは「数」だ、と述べた。アップルは今回、その観点から注目すべきもう1つの新製品を発表している。

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