詳報!M1版iMacとiPad Proに見るアップル「次の一手」

そしてAirTagに込めた戦略は?
西田 宗千佳 プロフィール

驚きの数値

M1は、MacBook Airのような冷却用のファンを搭載しないノート型にも適用できるプロセッサーだ。「ノートPCの中身をそのままデスクトップ型にも使った」と考えれば、わかりやすいだろう。ロジックボードが小型化されただけでなく、冷却のためのファンも小さくなった。

iMacにも、安定的な高速動作を実現するためのファンは搭載されているが、アップルによれば、動作中の音は「10dBでしかない」という。静謐な環境が求められる録音スタジオの騒音が25dB、一般的に静かだと感じる室内が40dBといわれるから、新しいiMacの発する音が気になることはまずなさそうだ。

【写真】「インテル版」iMacのロジックボードとファン「インテル版」iMacのロジックボードとファン。放熱対策のためにかなり大柄になっている
【写真】「M1版」iMacのロジックボードとファン「M1版」iMacのロジックボードとファン。非常にコンパクトなものになった

M1は十分な性能をもっている。最高のCPUと最高のGPUを組み合わせたデスクトップ型PCにはかなわないが、静音で消費電力の低いノートPCとしては傑出した性能を誇り、昨秋の発売以来、高い評判を得つづけている。

プロ向けの最高性能を目指すものでないかぎり、デスクトップ型PCに使っても申し分のない性能を発揮するだろう。実際にアップルは、インテル製プロセッサーを使っていた前世代のiMacに比べ、性能が2倍以上になっていると主張する。誇張なくそのとおりだろう、と筆者も同意する。

大胆なカラバリにも注目

新しいiMacは、M1の性能と特徴をフル活用して、コンパクトさと性能の両立を狙った製品だ。結果的に、iMacの体積は50%以上小さくなり、本当に「板」のようなデスクトップ型PCを実現してしまった。価格も15万4800円(税込)からと、そこまで高額でない点も魅力的だ。

なによりも大きいのは、最大7色という大胆なカラーバリエーションだ。

1999年に発売された「第2世代iMac」は5色のカラーバリエーションで展開され、大きな話題となった。ローリング・ストーンズの「She's a Rainbow」を使ったCMを覚えている人も多いのではないだろうか。

その伝統が帰ってきた。ノートPC先行でカラーバリエーションが減ってきているPCのデザインについて、他社を含めてインパクトを与える可能性がある。

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