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「つらいのは、本人だけじゃない」発達障害やグレーゾーンに巻き込まれる人の「怒りと苦悩」

マネー現代編集部 プロフィール

発達障害やグレーゾーンの人に巻き込まれる人の苦しみ

――発達障害やグレーゾーンを扱う作品は増えていますが、本人ではなくパートナーが主人公というのは珍しいですね。

もちろん本人も苦しんでいると思いますが、その周囲の人も苦しいんですよね。

自分はグレーゾーンかもしれないと言いましたが、実はうちの夫もそんな傾向があります。それで、家族が困るときが実感としてあって。でも、周りの人が困っていることは世間ではまだまだ知られていない。なので、私はそちら側から描いてみようと思いました。

発達障害やグレーゾーンの真っ只中にいる人が、本当に苦しんでいるのはよくわかります。でも、実はその周りにも苦しんでいる人がいる。例えば、職場での担当者や直属の上司といった、離れたくても離れるわけにはいかない立場の人。結局、自分が全部抱え込まなきゃならなかったり。そういう人も実は当事者と同じくらい苦しんでいて。ひどいと鬱になってしまう人もいます。こういうことを、知ってほしいんです。

最近は発達障害について、ネットニュースなどでも取り上げられることが増えましたよね。私がどうしてもそういう記事を読んじゃうので、次々とまた似たような記事が表示されてしまって。それで、ついまた読むわけですが、コメントを見るといろんな立場の人の意見がズラッと並んでいる。「近くにこういう人がいるけど、すごく困っている」とか「つらいのは本人だけじゃない」といった周りの人たちの言葉です。

当事者が声を上げ始め、発達障害の認知度も今ではずいぶん高まりました。それなら私は、なかなかスポットが当たることのない、でも確実に存在しているそちら側の立場から描いてみようと思ったんです。

 

「いつ終わることになってもいい」と思いながら描く

――グレーゾーンという繊細なテーマを扱うことの難しさというのはありますか? こんなことを描いたら叩かれるのではないか……とか。

私、前作の『娘は声優になるそうです』でものすごく叩かれたんですよ。コメント欄が荒れに荒れて。誹謗中傷も多く、まだ作家は泣き寝入りするしかない時代で。精神もかなり削られました。そのうち開き直って、作品を最後まで描き切りました。その経験からだいぶ強くなりまして。今さら怖いものなどないというか(笑)。

さまざまな方面に配慮しながら描いていたら、ただの日常漫画になってしまいます。この漫画には心無いセリフなども出てきますが、実際にそういうことを言う人はいますから、私はこれからも容赦なく描いていきます。

あまりにズバズバ描くので、時には編集ストップがかかることもありますが、正直「反感を食らっていつ終わることになってもいい」と思いながら、いつも描いています。

――どうしてそこまで強い気持ちで描くことができるのですか?

みんな何かしら抱えているということを、とにかく描きたいんです。

グレーゾーンの当事者だけじゃなくて、周りにも大変な苦労をしている人がいっぱいいる。みんな悩んでいる。「グレーでも、グレーじゃなくても、みんな何かしら抱えてるんだぞ」っていうのを描きたい。

だから、フレネミーとかDVとかも、バンバン入れちゃいました。
(※フレネミー:友達のふりをして近づいてくる敵)

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