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「つらいのは、本人だけじゃない」発達障害やグレーゾーンに巻き込まれる人の「怒りと苦悩」

マネー現代編集部 プロフィール

「普通でいなさい」母の圧力で一度は夢を断念

――なるほど。そうして漫画家への道を歩まれたのですね?

いえ……、それが違うんです。家庭の事情もあり、漫画も演劇も両方とも諦めざるを得なくなって。

母は自分が苦労したたため、私には普通に就職、普通に結婚、普通に子育てという道を強く望みました。それを強いられている状態でしたね。私はいつも怒っている母に恐怖しかなかったので、言われるまま普通に就職して、結婚して、子育てをしました。「夢は所詮、夢なんだな……」という感じで。

子育てがある程度落ち着いたとき、「そろそろパートにでも出ようかな」と夫に言ったところ、「じゃあ、漫画描いてみればいいじゃん。ずっと描きたかったんでしょ」と。

そのとき、ちょうどレディスコミックの全盛期だったんですよ。雑誌もバンバン出ていて、読者の世代も私と同じくらい。そこで、作品を一つ描いて、恐る恐る投稿してみました。

流行っているときだったので、とにかく描き手が欲しかったのかも知れません。すぐお仕事をいただけて。それから7年間、レディスコミックで毎月コンスタントに漫画を描かせていただくことができました。

その後、訳あって少しブランクがありまして。数年後デジタルになってから、comicoで『娘は声優になるそうです』を3年半連載し、今はまんが王国で描いています。『夫はグレーゾーン』は、連載2年目に入りました。

 

自分自身もグレーゾーンなのでは…?という思い

――『夫はグレーゾーン』には、グレーゾーンに関する具体的なエピソードが多く出てきます。これらのエピソードは、どのようにして集めたのですか?

発達障害に関する本で読んだこと、見たこと聞いたこと、そして自分が経験したことなどもたくさん盛り込んでいます。

先ほど父の話をしましたが、実は私にも人付き合いの苦手な面があって。子ども達が学校に通っていた頃は、PTAやママ友付き合いがあったので、家族ぐるみでキャンプに行くとか、それなりに人付き合いもしました。でも、すごく違和感があったんですね。人の輪の中にいることにいつも疲れていました。子ども達は喜びますけどね。私は必死で周りに合わせているような。

ものすごく気を使うし、言われた言葉とか、自分が言った言葉、一つ一つについて、頭の中でグルグル考えすぎてしまうんです。せっかくの楽しい場を台無しにするような発言をしちゃったり。

そういう、うまく適応できない部分は、育った環境のせいだとずっと思っていました。でも『夫はグレーゾーン』を描き進めていくうちに、ふと気づいたんです。「そういえばうちの父も生きるのがヘタだったな……」と。そんな父の血が私に流れているわけです。「私にも十分その資質があるんじゃないのか」って。

そこで、これまでの黒歴史的なものが、スッと腑に落ちました。私は発達障害の診断を受けたわけではありませんが、おそらくグレーゾーンかそれにかなり近いところにいるんじゃないかなと思っています。

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