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「つらいのは、本人だけじゃない」発達障害やグレーゾーンに巻き込まれる人の「怒りと苦悩」

あなたは「グレーゾーン」という言葉をご存知だろうか。ここで言うグレーゾーンとは、明らかな発達障害とは違い、医学的な診断が下されるほどではないが、それらの傾向が見られる人を「グレーゾーン」と呼ぶ。

グレーゾーン自身については、書籍やコミックエッセイなどの題材とされることが増えてきた。しかし、グレーゾーンに振り回される周囲の人たちの苦しみについては、なかなか語られることがない。「周囲が理解しなければ」という無言の重圧があるため、なかなか切り込むことができないのだろう。

「グレーゾーンの周囲の人」にスポットを当てた異例の漫画『夫はグレーゾーン』の著者、秋野さと氏に話を伺った。

取材・文/稲田和絵

*マネー現代では、まんが王国 先行配信ランキング3位(2021年4月27日現在)にも輝いた、秋野さと氏の『夫はグレーゾーン』1話から3話まで期間限定で公開中。インタビュー本文と合わせてご覧ください。

『夫はグレーゾーン』試し読み公開中(7/31まで)

第1話「違和感」

第2話「気持ちがわからない」

第3話「グレーゾーン」

社会にうまく溶け込めない父、じつは…

――子どもの頃から絵やストーリーを描いていたのですか?

絵を描いたり空想したりすることは、子どもの頃から好きでした。

実は、家庭環境があまり穏やかではなくて……。父はお酒をやめられなくて、母の怒号がいつも聞こえているような家でした。

父は、社会にうまく溶け込めない人だったんです。もう何をやっても駄目で、すぐお酒に逃げてしまう。それで、家族は振り回される毎日でした。

父が暴力を振るうことはありませんでしたが、その代わり、いつも母が荒れ狂っている状態で。

父はそのうち全く働かなくなってしまい、母が病院で高齢者の世話をする仕事をして家計を支えていました。まだ「介護職」という言葉がなかった時代です。本当に「下の世話をする人」という感じで……。

 

結局、父は私が10歳のときに自分で生きることをやめてしまいました。

亡くなってから、いろいろ手続きをしているときに、知らないうちに勤め先が7回も変わっていたことが分かって。それに対して母が猛烈に怒っていたのをよく覚えています。

今思えば、うちの父は発達障害そのものだっだな……と。その当時はそんな言葉すら知りませんでしたが。

とにかくそんな感じの家庭環境で、友達もいなくて、一人で過ごすことが多かったです。そんなとき演劇をテーマにした少女漫画『ガラスの仮面』に出会いました。それ以来、取りつかれたように漫画と演劇の両方にのめり込みました。

演劇部に所属して、高校生になってからは漫画の投稿もするようになりました。よく投稿したのは「花とゆめ」ですね。

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