大嫌いなアイツの「心無い言葉」が頭から消えない…注意障害の想定外すぎる症状

発達障害=「無理ゲー世界」体験記・2
鈴木 大介 プロフィール

ちょっとした不快感が、1日中つきまとう

さて、よく人の思考活動の描写として「内なる目で見る」「内なる声に耳を傾ける」なんて表現を使うが、あれは抽象的なようで、よくできた言葉だと思う。なぜなら、ひとの脳にとっては自身の感情や記憶も注意を向ける先としての情報であり、脳内でそれらに「内なる目や耳を向けて」思考処理しようとする際にも、視覚情報や聴覚情報などと同様に「注意機能」を使っているからだ。

ということは……。やっぱり起きるのである。あのゴリラグルー現象が、この内なる目や耳についても!!

ああ、思い起こすのもしんどい。

障害当事者となったその日から、僕は一度嫌なことがあったり不快な気分になってしまうと、その記憶や気分に注意がへばりついて、自力で引きはがせないという症状に、かなりの期間苦しみ続けることとなった。

例えば台所にて。ちょっと珍しい食材を買ってきて丁寧に材料を刻んで時間をかけて煮込んだスープを、鍋ごと流しの中にひっくり返してしまったとしよう。そんなとき普通なら(定型発達者なら)どんな感情がわくだろう?

Photo by iStock
 

俺の1パック320円もするブラウンマッシュルーム!

普段の倍に厚切りしたベーコン!

3グラム170円もするブーケガルニ!

15分もコンロの前から離れずに丁寧に加熱した飴色玉ねぎに7種の野菜エキス!!

それら黄金色の旨味の塊が、見る間に排水口の野菜くずの中に……。

ああ、なにかに八つ当たりしたい。誰かのせいにしたいけど、悪いのは鍋を不安定なシンクの角っこになんか置いた自分……。

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