*商品画像は無印良品(良品計画)提供
# UXライティング

無印良品には「矢印」がある。じつは当たり前じゃない「直角靴下」のヒミツ

「足なり直角靴下」「その次があるバスタオル」「自分で詰める水のボトル」…これら独特のネーミングの商品は、すべて無印良品のもの。しかし、なぜこのようなユニークな商品名がつけられているのでしょうか?
国内ではまだ珍しいUXライターの永井一二三氏が、UXライティングの視点から、無印良品のネーミングとその背景にある思想を分析します。

あなたの靴下、「〈 」の形じゃないですか?

「シンプルなデザイン」、「衣料品から家具や文房具、食べ物までなんでも揃うお店」、「レトルトカレーが豊富で、もはやカレー屋さん」。無印良品に対する印象はひとによって様々だとは思いますが、私が抱く無印良品のイメージは「矢印」です。その「矢印」とは具体的にはどんなことなのか。いくつかの商品を通してお伝えしたいと思います。

いまあなたが履いている靴下の形状に注目してみてください。おそらく多くの方は、「〈 」の形をしているはずです。丈の短い「くるぶし」と呼ばれるタイプのものはこの限りではないかもしれませんが、馴染みのあるかたちとしては「〈 」の形を想像するでしょう。ひとの足は立っている時も座っている時も歩いている時も「く」の形にもかかわらず、世に中に流通している靴下はほぼすべて「〈 」。

 

小さなころから疑問に思っていましたが、ある時にその答えがわかりました。それが無印良品の「足なり直角靴下」との出会いです。

無印良品(良品計画)

この靴下をひとめ見た時に、「そうそう。これこれ。なんでこれじゃなかったんだろう」と思い、無印良品の公式HPで驚愕の事実を知ることになりました。靴下が120°に開いている理由は、「靴下を編む機械の効率を考慮して」そして「店頭で販売される時にかかとから半分に畳まれるので、きれいに見えるように」とのことです。生産性の効率や購入を促すため、つまりは「流通」のために「靴下は120°」が当たり前になってしまったのです。

ひとの足が自然な状態である直角の形だからこそかかとにフィットして、はき心地が良く、ズレ落ちをおさえる。しかも、締め付けも最小限。2010年2月には無印良品のすべての靴下が直角になり、これが「あたりまえ」になっています。

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