みんなセックスレス #03:「妻の失恋」がスパイスに】
もはや社会問題と言っても過言ではない、夫婦の「セックスレス」。本連載では、毎回1組にフォーカスし、彼らがどのようにその問題と向き合っているのか紹介していきたい。

都内に住む洋子さん(55歳・仮名)と夫の忠雄さん(55歳・仮名)は結婚21年目だ。洋子さんも忠雄さんも海外の一流MBAをもち、会社役員を務めるバリキャリ夫婦である。15歳と13歳の娘たちは私立中高一貫校へ通い、週末はアウトドアを楽しむ仲の良い家族だ。だが、夫婦にはセックスレスで険悪だった期間が5年もあった。それが、あることをきっかけに劇的に改善したという。

バリキャリ妻が仕事を辞めてセックスレスに

洋子さんと忠雄さんは21年前に社内恋愛で結婚し、2人の娘に恵まれた。長女が5歳、次女が3歳になった10年ほど前、洋子さんは育児と仕事による疲れとストレスで体調を崩し、退職。しばらく子育てに専念せざるを得なくなった洋子さんは、突然の専業主婦生活に戸惑っていた。

〔PHOTO〕iStock
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仕事を退職し、自分のアイデンティティが奪われたように感じた洋子さんは、どんどん自分が変わっていくのが分かった。そのせいか、日常のささいなことで夫と口論をするようになっていった。洋子さんは情熱的な性格。反対に、忠雄さんは穏やかな性格だが、夫婦ともに自分の信念に反することには絶対に妥協しないタイプだ。2人とも頭の回転が速く、ボキャブラリーも豊富だから言い争いはときに激化した。

夫婦喧嘩が増えるにつれ、それまで週2回ほど営んでいたセックスが、半年に1~2回にまで減っていった。結婚11年目のことだった。

週に1回ぐらいセックスをしないと、“夫婦じゃない”気がするんです。でも、私が誘っても夫が拒否するようになって……。多分、喧嘩しても絶対に折れない私のことを夫は嫌いになりかけていたのでしょう」(洋子さん、以下同)