北極に行ってようやく分かった、地球に迫る”恐ろしい未来”

北極調査45日間に密着!
コズミックフロント プロフィール

メタンが大量放出!? 北極で何が…

地球温暖化のカギを握る物質として、注目を集めている物質があります。それが、二酸化炭素の25倍もの温室効果を持つ物質、メタンです。実は、そのメタンは北極に大量に貯蔵されています。

その1つが、メタンと水分子が結びつき固体となった、メタンハイドレートという状態です。メタンハイドレートは、“高圧”と“低温”という2つの条件が揃うと出来るため、主に深海域に存在しています。

しかし、北極は極寒。そのため、比較的浅い海域でも条件が揃い、メタンハイドレートが出来やすくなっているのです。北極海の海底には、広大なメタンハイドレートが眠っていると考えられています。海水温の高まりによって、このメタンハイドレートが崩壊する可能性が危惧されています。

北極海の海底に眠るメタンハイドレートのイメージ 浅い海域での崩壊が危惧されています(NHK提供)
 

そしてもうひとつが、永久凍土です。この中にも、メタンが大量に保存されています。温暖化によって北極圏の永久凍土が溶けることで、メタンが大量に放出するのではないかと、恐れられているのです。

まずは、海中に含まれるメタン濃度の観測です。CTDで採取された海水に含まれるメタン濃度が、詳細に分析されます。もしメタンハイドレートが崩壊していたら、周囲の海水に高いメタン濃度が記録されるかもしれません。

担当は、北海道大学の亀山宗彦先生。今まで5年にわたり、北極海中のメタン濃度を計測してきています。専用の分析装置を使って、海水を分析すると、北緯75度のポイントで観測した海水のデータに、驚きの結果が現れました。なんと、深度200m付近に、通常の5倍もの大量のメタンが含まれていたのです。

北緯75度で採取された海水に含まれる、メタン濃度のグラフ(北海道大学 亀山宗彦さん提供)

これは本当に、海底のメタンハイドレートの崩壊を意味しているのか、亀山さんは、さらなる詳しい解析が必要だと言います。

「北極海の海水温は、確実に上がってきています。北極海は浅い海底にもメタンハイドレートが存在しているため、そうしたメタンハイドレートは、海水温上昇の影響をダイレクトに受けます。

もしかするとこの結果は、少しずつ崩壊を始めたメタンハイドレートの影響を見ているのかもしれません。メタンハイドレートの大規模な崩壊が起こったら、地球環境に大きな影響を及ぼすことになります。今後も注意深く見守る必要があります」

編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/