北極に行ってようやく分かった、地球に迫る”恐ろしい未来”

北極調査45日間に密着!
コズミックフロント プロフィール

見えてきた北極の“異変”

調査を行うのはベーリング海峡から遠く北上した、北緯74度の海域です。ここは長年、定点観測が行われているポイント。データの積み重ねによって、北極の環境の移り変わりを、つぶさに観察することが出来るのだそうです。

早朝、まだ太陽が昇りきらないうちから、海にCTDという巨大な観測機器が投入されます。取り付けられたセンサーで、海水温や、塩分、栄養成分などが計測できます。さらに、周りにぐるっと取り付けられたボトルで海水を採取することで、海の詳細な成分データを得ることが出来ます。

北極海に投入されるCTD 細長い円柱形のボトルで海水を採取します(NHK提供)
 

CTDが北極海に沈んでいくのを見届けた後、海水のデータがリアルタイムにあがってくる観測ルームに向かうと、西野さんがモニター画面に釘付けになっています。見ているのは、観測中の海水温のグラフです。おそるおそる声をかけてみると、驚きの事実を教えてくれました。

「海の表層付近に、3℃に迫るほどの温かい海水があります。通常この海域では見られない、高い水温です」

過去、このポイントは、氷が張っていて、観測が出来ないこともあったそう。今年は氷が全くない上に、海水温がかなり高まっていたのです。西野さん曰く、通常、この海域の表層付近の海水温は、氷点下付近まで冷やされているとのこと。今回の高い海水温の理由は、海の表面を覆う白い氷がないことだと言います。

白い氷は、太陽光の9割近くを反射してくれます。しかし、温暖化によって、一旦氷が溶け始めると、露出した海水面は黒々としているため、太陽光はほとんど反射せず、吸収されてしまいます。そのため海水温が上昇。すると、さらに氷が出来づらくなり、どんどん海水温が上昇していくという、悪循環が起こり始めるというのです。

こうした北極の海水温の高まりによって、一体なにが起こるのか。実は、地球規模の環境変化を引き起こす可能性のあるデータも見えてきたのです。

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