北極に行ってようやく分かった、地球に迫る”恐ろしい未来”

北極調査45日間に密着!
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美しい光景に隠された秘密…

10月上旬。ついに、みらいはベーリング海を越えて北極海に入りました。ある日、船の外を見ると、海面に何やら丸い白いモノがたくさん浮いています。

聞くと、「パンケーキアイス」と呼ばれる、いわば氷の赤ちゃん! 美しい…とても幻想的な光景です。みらいの周り一面を取り囲んでいます。このパンケーキアイスがお互いぶつかり、重なり合うことで徐々に大きな氷になっていくと言います。

船の操舵室には、今までと違う緊張感が漂っていました。みらいは、北極で何度も観測を行っている実績がある船。しかし、氷を砕いて進むことができる砕氷船ではないため、大きな氷が浮かぶ海域の調査は出来ません。海面にパンケーキアイスが出てきたということは、大きな氷が、すぐ近くまで迫っている可能性があります。

もし、大きな氷にぶつかりでもしたら大変。そのため、船がすすむ方向に細心の注意を払っているのです。いよいよ北極圏に足を踏み入れた実感が沸いてきました。

みらいを取り囲むパンケーキアイス(NHK提供)
 

そんな中、呑気にパンケーキアイスの写真を撮っていたところ、航海の研究リーダー、西野茂人さんから気になることを聞きました。西野さんはおよそ20年に渡って北極調査を行っているベテラン。西野さん曰く、こうしたパンケーキアイスなどの海氷は、以前はもっと南の海域で見えたものだそう。

北極の温暖化によって、氷の面積が小さくなったことに伴って、パンケーキアイスが出来る海域も、北側にどんどん移動しているのです。南の海域に広がるのは、巨大な氷はもちろん、パンケーキアイスもない、開けた海。西野さんが、複雑な胸のうちを明かしてくれました。

「2000年代前半は、砕氷船じゃないと、北極海の北側まで観測に来ることは出来ませんでした。分厚い氷が覆っていたからです。しかし、今では氷がないため、みらいでも、こうして観測を行うことが出来ます。研究者としては、観測が毎年行えるのは有り難いことですが、同時に温暖化がすすんでいる証拠でもある。複雑な気分です」

こんな美しい光景からも、北極の温暖化の影響が垣間見られるとは、驚きです。一体、いま北極はどんな状況にあるのか。いよいよ、研究者たちの調査が始まります。

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