いじめで1年半の刑期と約100万円の罰金…フランスの学校が子どもを守る「これだけの対策」

安發 明子 プロフィール

警察には未成年保護班(県によっては家族保護班)という特別部隊があり、彼らは小さい子どもやティーンエイジャーの聞き取りと支援について専門的な訓練を受けている。

手続きについても特別な配慮がなされ、例えば聞き取りは全てビデオで録画し、後で文字化する。どんなに小さくても子ども1人で警察の聴取を受けるが、警察は話を聞きながら書く必要がないので子どもは自分の話を聞いてもらえていると感じることができるし、事情聴取を短時間で済ませることができる。ビデオに撮ることで、子どもの様子を心理士などが観察し判断材料にすることもできる。

児童ポルノのサイトの取り締まりもしており、子どものふりをして違反者の証拠集めをすることもあるという。筆者が調査した市の未成年保護班は5人ともポニーテールやショートカットにタトゥーの入った快活な女性たちだった。チームで撮った写真がいくつも壁に飾られている。

未成年保護班に集まる情報については、被害者がいる限り被害届がなくても子ども専門裁判官に連絡の上、指示があれば捜査を開始する。子ども専門裁判官が指揮官で未成年保護の要であり、警察が裁判官の目となって指示を受けた内容について調査する。

必要があればソーシャルワーク的支援や、家出用シェルターなど他の専門機関につなぐコーディネーターの役割も果たす。また警察署にはソーシャルワーカーも心理士もいる(未成年保護班の家出対応については「絶望した若者たちは『家出』する…フランスの『ここにいたい』と思える場所」を参照)。

 

子ども専門裁判官は「即座に対応します。子どもに関する事件について情報が来たときに、些細な事件だからといって対応しないことはありません。一回の嫌がらせでも裁判所で対応することで、再度同じことが起きたり悪化することを防ぐのです。大きな問題は、その前に何度も出来事が起きる中で発展して起きているので、なるべく早く対応することが重要です」と言う。

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