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菅首相の日米首脳会談「大成功」とはほど遠いこれだけの理由

日米関係は「米中関係」の一部にすぎず

本当に「大成功」だったのか

菅義偉首相が4月15日から18日まで訪米の途につき、16日にジョー・バイデン米大統領と日米首脳会談を行った。その模様が先週末から日本で大々的に報じられ、訪米が大成功したかのような雰囲気に包まれている。

果たして、本当にそうだろうか?

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首脳会談後に発表された「日米首脳共同声明」をベースにして、今回の日米首脳会談を振り返ってみたい。以下、〈〉内は、共同声明の抜粋である。

〈 ジョセフ・バイデン大統領は、同大統領の政権下で初めて米国を訪問する外国首脳となる菅義偉総理大臣を歓迎でき、光栄に思う 〉

「バイデン大統領が就任して初めての対面での首脳会談」という形容句は、菅首相がたびたび誇っていたし、日本のメディアも繰り返し報じていた。

実際、「初めての対面での首脳会談」とは、いかほどのものなのだろうか? 日本が「初めて」という「名」にこだわったために、アメリカ側に「実」を取られたということはないのか?

そもそも、なぜ日本が「1番目」だったかと言うことを考えてみれば、それはバイデン大統領が、日本や菅首相のことが好きだからではないく、主に二つの事由によるものと推察される。すなわち第一に、中国の脅威が待ったなしとなっているアメリカは、日本を中国の脅威に対抗する橋頭保にしたいからである。

第二は、「1番目」を必死に争うライバルが、日本の他にいなかったからである。正直言って「1番目」にこだわるのは日本だけで、他の国々は「何番目か」よりも、「どんな内容の会談を行うか」に重点を置く。当たり前のことだ。

ところが、日本だけは昔から、アメリカで新たな大統領が就任するたびに、「1番目に首脳会談を行うこと」にしゃかりきになる。ある元駐米日本大使館幹部は、私にこう嘆息していた。

 

「自分の駐米大使館員としての最大のミッションが、就任した大統領を一番目に日本の首相に会わせることだった。大統領選の最中から、このミッションにほぼかかりきりとなった。ワシントンの日本大使館は、このミッションのためにあると言っても過言ではなかった。

これは、ワシントンの外交官社会から見たら、かなり異常なことだった。だが、東京の首相官邸がそのことに政権の命運を懸けているので、致し方のないことだった」

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