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車谷CEO辞任でも苦境は変わらず…東芝が抱えている「次の火種」

「モノ言う株主」との対立は終わらない

キオクシアHD争奪戦が「第二幕」

先週水曜日(4月14日)、東芝の車谷暢昭・社長兼CEO(最高経営責任者)が辞任、当面は綱川智会長が社長とCEOも兼ねることになった。

舞台裏では、取締役会が日程を繰り上げてこの日に開かれることになり、筆者が先週の本コラムで指摘した車谷解任動議の提出が避けられない情勢となったため、さしもの車谷氏も観念して辞職を申し出たのだという。まさに急転直下の辞任劇だった。

しかし、一件落着とはいかない。車谷氏が辞任しても、東芝が抱える“モノ言う株主”(アクティビスト)との深刻な対立の構図は何も変わっていないからだ。

2018年2月、車谷氏の社長就任会見。経営のバトンは再び綱川氏(右)に委ねられることに/photo by gettyimages
 

次の火種として密かに注目され始めたのが、フラッシュメモリで世界2位のシェアを持ち、今なお東芝が4割を出資するキオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)の争奪戦だ。

この会社は、バイデン米政権が重要物資のサプライチェーンの囲い込み戦略を打ち出したことから俄かに再評価されている。これを好機と見た政府・経済産業省が水面下で、これまで進んでいた株式の上場準備を牽制する構えをみせており、東芝の株主還元のための財源作りに暗雲が漂い始めているというのである。

まずは、先週までの動きをおさらいしておこう。

東芝は2010年代半ば、粉飾決算や米原子力発電メーカーの買収失敗が重なり、経営破綻と上場廃止の危機に直面。回避のため、医療機器やPCといった「虎の子」の事業を売却した。だが、焼け石に水で、2017年に大型増資に踏み切った結果、シンガポールのエフィッシモ・キャピタル・マネージメントなど “モノ言う株主“が大挙して押し寄せて、大株主に納まってしまった。

そして、これらの大株主から株主還元の大盤振る舞いを迫られる中で、去年の株主総会で3日前の消印があったにもかかわらず、期日までに届かなかったとして一定の議決権を行使させない失態を犯し、車谷氏と大株主の関係が抜き差しならないものとなっていた。

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