2021.04.21
# 中国

ドライバーが検問所で自殺…中国の底辺・トラック業界の過酷な現実

デジタル監視がもたらした不正の犠牲か
古畑 康雄 プロフィール

1台の仕事を10台で奪い合い

中国全国に3000万人いるといわれるトラックドライバーの過酷な仕事ぶりについては、数年前にNHKがドキュメンタリー番組「爆走風塵 中国・激変するトラック業界」という番組を制作しており、今回改めて見てみた。

トラックドライバーは個人業主が多く、各地の運送荷物仲介所で仲介業者に手数料を払って仕事を紹介してもらい、運送料は配達後の出来高払いであることが多い。

だがドライバーの業界は過当競争が激化し、成都にある運送荷物仲介所は仕事を求めるドライバーであふれかえり、「昔は1台でやっていた仕事を今は10台で奪い合っている。低賃金は当然」とあるドライバーは語っている。さらに高速道路の通行料金や燃料代も高騰、夜間は燃料を盗む被害を受けることもあるという。

番組中に出てくるある新米ドライバーは妻と幼い子供を乗せ、数千キロを何日間もかけて夜通しで建設資材を運送したものの、結局は赤字になってしまった。番組では道路わきに衝突、大破したトラックが映し出されるなど、過労運転による交通事故も頻発している実情も紹介していた。

さらに続編として昨年放映された「中国コロナ危機 絶望のトラックドライバー」では、コロナ禍により仕事が激減、荷主に対するドライバーの立場がますます弱くなり、安い運送費で仕事を奪い合う厳しい状況が描かれていた。

 

今回の事件はそうしたトラックドライバーの厳しい生活環境が反映されていた。報道によれば、中国河南省のあるトラック協会の会長は、「トラックドライバー全員が、金さんのメッセージを転載した」と語っている。

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