「未来は私にやさしくできていない」

中高一貫校の千葉県立中学校に入学。調べもの学習で「未来は私にやさしくできていない」と気づく。年間5回のプレゼンテーションの機会と卒論で女性の結婚と仕事について扱った。両親は共働きだったこともあって、女性の社会進出や男女共同参画に興味を持った。

瀧澤 将来は母親のように働き続けるのが当然だと思っていたのですが、自分で調べてみると日本では男性の育休取得率は他国に比べると、すごく低かった。そのうえ、晩婚化の事象や家事育児を手伝うという価値観の違いも大きい。私の親は手分けしてやっていたと思いますが、それは一般的ではないことがわかった。当時の日本の女性の社会進出の状況が気になって、(卒論を)書きました。

加えて瀧澤さんが高校2年生だった2015年、パキスタンで妊娠3か月の女性が実の父親や兄弟ら20人以上の集団に襲われ、れんがや石を投げつけられて殺害される事件のドキュメンタリー番組を観た。パキスタンでは多くの女性が結婚相手を自分で決めることが許されておらず、親族の意に逆らうことは一族の恥と考えられていた。

瀧澤 好きな人と結婚したら殺される国があるなんて、本当にショックでした。日本だけでなく、世界的に女性の地位が低いと知りました。性別役割分業と通じますよね。男性が女性を手伝うのが「善」みたいに日本では受け取られますよね。そうではなく、男女が対等な関係で協働できる社会がいいのではと思いました。

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瀧澤さんが指摘したように、日本男性の育児休業取得率は上昇傾向にはあるものの2019年度でわずか7.48%だ(厚生労働省「雇用均等基本調査」)。アイスランド85%、ノルウェー90%、フィンランド80 %、スウェーデン88.3%と、北欧には遠く及びない。

瀧澤 ただ、私は両親も含め、いい大人たちに育てられたと思っています。今問題になっているブラック校則なんてなかったし、中学、高校の先生には行動や人格を否定されたこともない。「こうしたい」と言ったことを否定されたり、疎外されたりしたことがない。自由でした。

なるほど。社会に貢献する意識を育てるのは、やはり人的環境なのだと感じる。家の中のたくさんの本。両親が本を読み、ニュース番組を観て論じる姿。何かを押し付けるのではなく選ばせる学校。高校でも「卒論」はあったが、書いても書かなくてもよい。自由だった。スポーツも好きなものを選んだ。

瀧澤 小学2年生からサッカーをしました。ふたつ上の兄は野球をやってたのですが、女子は甲子園に出られないと知っていました。地域のスポーツコミュニティーに女子サッカークラブがあったので「私はサッカーをする」と母に言ったんです。母は「え~、サッカーするの?」と少し驚いたようでしたが、「女の子がサッカーなんて」みたいなことは一言も言わずやらせてくれました。

好きなことを自分で選んでやればいい Photo by iStock