親だからといって理解がある訳ではない
生理の貧困の要因として、はじめは経済的理由だけを想定していたが、当事者の話を聞く中で、それ以外にも以下のような要因が見えてきた。
1. ネグレクトや虐待、生理ヘイト
2. 男性(父親・夫)の生理への無知・無理解
3. 性教育の不足、知識不足
1について、母親が身の回りの世話をしてくれなかったため、生理用品が手に入らなかった、というネグレクトなどが絡んでいるケースなどがある。
中には初潮を迎えたことがわかると「けがらわしい」などと暴言を吐かれた上で、経済的余裕があるにも関わらず、十分な生理用品を与えられなかったという人もいた。
第二次性徴に対して、嫌悪感を抱く親のエピソードはいくつか寄せられており、私はこれを「生理ヘイト」と名付けている。貧困家庭でもなく、身なりなど外見に表れにくいので、周囲から気づかれにくい。

2のような父子家庭の場合、父親が生理用品を用意するという概念がそもそもなく、また異性であるがゆえに本人も恥ずかしくて言い出せない、というケースがある。
もちろん年頃の娘に生理が来ることを想定し、用意する父親もいるだろう。しかし、男性が生理について知らなくても生きていける社会で、その想定ができない父親がいるのも事実だ。
また、1日に必要なナプキンの量を知らない、量を調整できると勘違いしている男性のエピソードもたくさん寄せられており、夫が生理用品を十分に買わせてくれなかった、という方もいた。
男女別の性教育の弊害が浮き彫りになった一例といえるだろう。