2021.04.19
# 地震・原発・災害

地震報道から「東日本大震災の余震と考えられる」の文言が消える「舞台裏」

「10年で一区切り」なのか
鷲尾 香一 プロフィール

「本震」が「前震」となった熊本地震

そもそも、「余震」とはどのようなものなのか。気象庁によると、「大きな地震の発生後に引き続いて発生する、最初に発生した大きな地震よりも小さな地震」と定義している。

ただし、「場合によっては、最初の地震よりもさらに大きな地震が発生することもあり、その場合はそれが本震となり、それ以前に発生していた地震は前震と呼ばれることもある」としている。

震災関連死を含む276人が犠牲になった熊本地震は、4月14日に発生から5年を迎えた。実は、この熊本地震は観測史上初めて最大震度7の激震に2度襲われたが、2度目となる余震の方が大きかった。

2016年4月14日の地震はマグニチュード6.5だったが、余震とされた4月16日に発生した地震はマグニチュード7.3で、現在では16日に発生した地震が本震とされている。

つまり、気象庁の余震の定義である「大きな地震の発生後に引き続いて発生する、最初に発生した大きな地震よりも小さな地震」が当てはまらなかった。

 

そこで気象庁は地震調査委員会で「大地震後の地震活動の見通しに関する情報のあり方」についての検討を行い、2016年8月19日に報告書をまとめた。

この中で、余震という言葉を用いたことにより、「より大きな地震、あるいは、より強い揺れは発生しないというイメージを情報の受け手に与え、安心情報であると受け取られた可能性がある」という指摘がなされた。

この結果、「余震」という言葉は、最初の地震よりも規模の大きな地震は発生しないという印象を与えることから、今後は「地震」という言葉を用いることとし、マグニチュードよりも「震度」を用いることとなった。

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