ワクチン接種を控える人へ…病院で働くミステリー作家がコロナ禍の1年で痛感したこと

北里 紗月 プロフィール

私は理学部生物学科の大学院に所属していた学生の頃、RNA発現に関する研究を行っていました。また、胚培養士として20年間生殖補助医療に携わってきた経験があります。この間、卵子や精子の形成から、受精、着床現象に至るまでの基本を学ぶことはもちろん、毎年開催される学術集会に参加し、生殖補助医療に関する最新の知識を得てきました。これまで私が学んできた全ての知識に照らし合わせて、どのような角度から考えても上記のデマは完全に間違っています。

そして妊娠しにくいという現象を、まるで悪い行いに対する罰のように論じることは胚培養士として許せるものではありません。例えば精子の数は個人によって全く異なりますが、これは視力や血圧に個人差があるように体質に起因するものが大半です。

悪質なデマに対しては多くの医療従事者が声を上げることで、ある程度収まってきた印象があります。その一方でワクチンに対する漠然とした不安は世の中に存在していると思います。では私がなぜ、m-RNAワクチンに対し不安や恐怖を感じなかったか。その理由は、RNAを研究の対象としていた経験があるため、その特性や原理をあらかじめ知っていたからです。つまり、未知に対する恐れがなかったからにすぎません。

未知のものに対する不安は、私がCOVID19に対して1年前に感じていた恐怖と同様、誰にでも起こる自然な感情だと思います。そしてこの不安を取り除く唯一の方法は正しく知る、この一点だと考えます。

 

最後になりますが、私は3月16日にファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを接種致しました。翌日から筋肉痛に似た痛みが、接種した腕で約1日続きましたが、その他に目立った体調の変化は起きていません。4月に2回目の接種を予定しています。現在、SNS上ではワクチンを接種した医療従事者がその経験を積極的に発信しています。私も2回目の接種を終えたら、その結果を報告していく予定です。これらの情報が皆様の役に立てば、大変嬉しく思います。

(後編「『ワクチンは一定割合で副反応が起きるが接種した方が良い』2回接種した私の結論」につづく)

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