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ワクチン接種を控える人へ…病院で働くミステリー作家がコロナ禍の1年で痛感したこと

私は臨床検査技師の国家資格を有する胚培養士です。新型コロナウイルス感染症に対して医学的貢献は行っていません。所属する総合病院が地域拠点病院であり、新型コロナウイルス陽性患者を積極的に受け入れていたため、早い段階でのワクチン接種が可能でした。本来であれば最前線で治療に当たる方が体験記を記した方が最適だと思いますが、情報発信という形で今後ワクチン接種を控えている皆様のお役に立てれば幸いです。

私がこの1年間医療従事者として、また家族を持つ者として、どのようにコロナ禍と向き合い何を感じていたか、なるべく正直に書いていこうと思います。

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「日本は大丈夫」だと思っていた…

私は胚培養士の仕事の傍ら、ミステリー作家として小説を書いております。この関係で2002年に発生したSARSに関する資料を偶然所有しておりました。幸いにもSARSは日本に入ってきませんでしたが、複数の国に感染が拡大し多くの被害を引き起こしました。SARS発生初期、病院内のスタッフが窮状を訴えても外部の人間は危険性を低く認識しました。私はこの資料を読んだとき、なぜ現実を直視出来ないのかと強い憤りを感じていました。

そして現実の世界では突如としてCOVID19の世界的大流行が発生します。この時の私はなぜか、日本は大丈夫。感染症は入ってこないと信じていました。あれほど嫌った現実を無視した思考回路です。恐ろしいことに当時の私は自分の考え方に気が付いていません。1年が経過した今だから分かるのです。

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