不自由さを経験して、大事なものが見えてきた

内田さんが10代でデビューしたのは、元号でいうと平成初期にあたる。この令和の時代に、高度経済成長期の財閥の光と影を描いた作品に出演したことで、日本人が考える“豊かさ”が大きく変わってきたように、内田さんは感じたという。

「あの時代は、相子も大介も、自分たちの力を拡大していくことが“豊かさ”につながると信じていたんだと思います。でも今は、お金持ちになることや贅沢な暮らしをすることイコール豊かさではないと、誰もが気づいていますよね。とくにコロナ禍に直面して、世界中の誰もが、自分の人生において何が大事なのかを誰もが考えた一年になった。気持ちが滅入ることも多かったですが、不自由さを経験したからこそ、大事なものが見えてきたような気もしています」

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この『華麗なる一族』の撮影も、昨年の秋から今年の冬にかけてコロナ禍の中で行われた。感染防止対策を徹底した中での撮影は、大変な部分もあったが、だからこその気づきも多かった。

「万俵家の子どもたちを閨閥に巻き込んでいく相子を演じたからこそ思ったんです。自分で生き方を選べるというのは、素晴らしいことだなって。最近は、芸能界自体も変化のときを迎えていて、事務所を離れて個人での活動をスタートさせる方、SNSなどのツールを活用して、芸能界だけではない広がりを見つけていく方もいらっしゃいます。そんな若い人たちに刺激されて、自分もこれから何か新しい表現ができるのかなと考えたり(笑)。みんなが『これがいいよ』と言ったら右へ倣えで、人と違ったことをしたら、咎められたりしていた世の中が、変化していますよね。コロナ禍の前、SNSが台頭した頃から徐々に訪れた変化なのかもしれませんが、特にコロナ禍で決定的になった。それが、コロナ禍がもたらした、もう一方の側面なんじゃないかと思います」