自分の居場所を探していることに共感

「“悪女”の定義って、よくわからないですよね」

今回が4度目の映像化になる山崎豊子の傑作小説『華麗なる一族』。高度経済成長期に、富と権力を獲得すべく、閨閥(※姻戚関係による勢力の拡大)を張り巡らす財閥一族の繁栄と崩壊が描かれたこの物語で、内田さんは、主人公・万俵大介の愛人である相子を演じた。

WOWOW『華麗なる一族』で内田有紀さんが演じる高須相子
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山崎文学の真骨頂は、“善”や“悪”などという二元論では到底語ることのできない、登場人物の奥深さにある。相子は、愛人でありながら「子供たちの家庭教師」という名目で、万俵家で暮らし、閨閥作りにも積極的に関わっている。そういった側面だけを取り上げると、「悪女」とも取られかねない役だ。冒頭のコメントは、「美人で、頭が切れて、やり手の愛人ということで、相子には悪女的なイメージもあります。内田さんとしても新境地なのでは?」と質問したときの、内田さんの第一声だった。

「お話をいただいて、今回の台本と原作、今まで映像化された作品と、一通り目を通して感じたことは、相子は、自分の居場所を探している女性なんじゃないかということでした。そこはすごく共感できた。確かに、わかりやすくいうと“愛人役”ですし、万俵家の子供たちからすると、どうしたって受け入れられない存在ですよね。母親ではない人に大きな顔をして居座られて、政略結婚を勧められるんですから。どれだけ厚顔なんだと思われても仕方がない(笑)。でも、相子にもそうしなければならなかった理由があるんです」

内田有紀(うちだ・ゆき)
1975年生まれ。東京都出身。1993年度ユニチカ水着キャンペーンガールとしてデビュー。94年フジテレビ系「時をかける少女」で主演を務める。同年シングル「TENCAを取ろう! 〜内田の野望〜」で歌手デビューを果たし、オリコン史上初の女性ソロ歌手デビュー曲初登場1位を記録。★☆北区つかこうへい劇団第8期生として舞台にも進出。『踊る大捜査線』シリーズ、『最後から二番目の恋』シリーズ、『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』シリーズ、NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』『西郷どん』、連続テレビ小説『まんぷく』など、出演作多数。