夜から朝にかけての日常

現在、私の眠れない要因になりつつあるのは「寝返りが打てなくなる」ということです。寝返りできないことが睡眠の妨げになってしまうのです。きっともともとの寝相タイプにもよるのでしょうが、それまで比較的寝相が良く寝返りは多くなかったタイプの私でも「あぁっ、寝返り打ちたいな」と感じて目が覚めるくらいです。ALSに罹患して筋肉の減少と委縮は下肢からスタートしたのですが、上肢に進むにしたがって寝返りが出来なくなるのです。

人間は実は、寝ている間に寝返りを自然と打っており、それをしないと身体が異変を感じて脳に連絡してしまい、それで起きてしまうようです。そのことを、今年・2021年に入って感じるようになりました。

声と表情は動きも活発で元気ですが、寝返りはできなくなってきました 写真提供/津久井教生

ALSに罹患した初期のころは、ストレス性の眠りの浅さで目が覚めることもありました。その時は、ストレッチと呼吸トレーニングを眠くなるまで、ゆったりとした気持ちで実践することによって、また眠りに戻ることができていました。

しかしながら、寝返りが打てないのは自分では対策のしようがないのです。誰かの力を借りて寝返りを打たせてもらう以外に方法はありません。初めてこの状態になったときは、1時間半くらい寝返りを打ちたい感覚と闘っていました。そして、一定の部分に体重がかかるとそこが反応して痛みや痺れが出てしまう。私の場合は動かないでいると右足の踵に頻繁に痛みが出るようになりました。

そのため、まずは電動式介護ベッドの上半身と足の昇降を組みあわせて動かして、身体に寝返りをしたことを認識させ、介護の手を借りないように工夫しました。レッグウォーマーで踵を覆って痛みが出にくくしたり、クッション材を紹介してもらって踵に貼り、体重の負荷をかけないようにして、痛みによる目覚めがなるべくないようにしてきました。

上記のような工夫が出来ていなかった一番ひどい時には、2時間弱ごとに妻を起こしていたと思います。その後、寝返りや痛みは工夫でましになってきましたが、3時間前後でトイレに行きたくなるので、やはり起こしてしまうことになります。これを避けたいからと水分を控えると体調が落ちてきますし、筋肉の衰えも早く感じます。これには参りました。

夜から朝まで、しっかりと水分を取りながら、3時間以上、出来れば4時間くらいまで眠れるように頑張っているのです。

寝返りを打つことができる。それはとてもありがたいことなのだ Photo by iStock