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# 学問

私が「東大の大学院生たち」に教えた「本当に価値がある」質疑応答法

正しく問い、正しく答えよ
言葉を尽くしているのに、なぜ「言いたいこと」が伝わらないのか? 多くのビジネスパーソンがぶつかる壁だろう。この壁を乗り越えるために必要な、ロジカルな考え方・話し方を教えてくれるのは、著書『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』がある、元経営コンサルタントでMBA教授の三谷宏治氏だ。東大の大学院生に「正しい質疑応答法」を教えた経験を持つ三谷氏。そのときのエピソードから、ビジネスパーソンが知っておくべき「問い方」「答え方」のポイントを学ぶ。

こんな質疑応答でいいのか?

ある日の午後、東京大学を訪れました。大学院生への1回限りの3時間講義です。聴く側もみな真剣で、ところどころ鋭い質問すら飛んできます。

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締め括りにミニケーススタディとして「大学生へのパソコン販売 倍増プラン」なるものを、数人ずつのチームに分かれて、考えてもらいました。

数十分の討議の後、1チーム5分のチーム別発表会です。この講座では恒例となっているらしく、学生自身が仕切って、発表、質疑応答と進んでいきます。

教授や講師は口を出さない「自主性を重んじた」運営、です。

最初のチームの発表はなかなかの内容。たった数十分の準備時間だったのにプレゼンテーション資料まで用意しています。大したもんだ。

そしてその後、こんな質疑応答が始まりました。

「誰か質問ありませんか」

「はいっ」

「どうぞ」

「このプランではサービスコストの増大というリスクは考慮されたのですか?」

「いえ。でもマーケティングコストの増加リスクという議論はしました」

(しばしの沈黙)

「他に質問はありませんか」

「はいっ」

「どうぞ」……

2チーム目でもう、堪忍袋の緒が切れました。こんなの傾聴なんてしてられません。

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