# 介護

田舎親の「介護」に振り回されそうになった40代サラリーマンの「意外な決断」

断ることが優しさになる
太田 差惠子 プロフィール

同居だってうまくいくとは限らない

そこで、トオルさんは父親に対し、「2人暮らしが難しくなれば、施設に入ると言っていたよね。この際、そうするのがいいじゃないか」と切り出したのです。

すると、父親は「年老いた親のことを見捨てる気か」と怒鳴ったのです。その横で、母親は涙を流していました。

日本の65歳以上の高齢者の「子との同居率」をみると、1980年にほぼ7割でしたが、2015年には4割を切っています。

別世帯の親の介護が始まったら、多くの子は一度は“同居”について検討します。特に、実家が広くて、通勤に支障がない立地だと、気持ちが動くこともあるようです。ただし、条件をクリアしたとしても、ライフスタイルが異なる親子が共に暮らすというのは、相当な覚悟がなければうまくいきません。

同居は「簡単」ではない… photo/iStock
 

トオルさんが実家に戻るには、いまの自宅を引き払い、仕事を辞める必要があります。それだけでなく妻も仕事をやめなければなりません。

トオルさんは「実家に戻るなんてありえない」と考えるものの、両親に対して申し訳ないような罪悪感に苛まれていました。

「東京に戻ってからも、父親の『見捨てる気か』という言葉が、度々脳裏に浮かびます。この話は妻にはしないつもりだったのですが、酒がまわったとき、ついポロっと言ってしまいました」

案の定、妻は「同居なんて、絶対に無理。帰るなら、あなた一人で行ってね」と言いました。

関連記事

Pick Up

編集部からのお知らせ!

おすすめの記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/