2ポカリの新CMは美しく素晴らしいけど

「わたしにとって、今年の邦画NO.1かも……」

4月9日に公開されたポカリスエットの新CM『でも君が見えた。』編を見て、一番最初に浮かんだ言葉はこれだった。いや、CMですやんw。と、己にツッコむも、ときめきを前に中年の冷ややかさは少し黙ってろ、と自身に返す。わたしは紛れもなくたった今、たかが60秒されど60秒で描かれた、人生の春の美を描いた物語をこの目で観た。観たのだ(咆哮)。

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みんなと同じ方向へ歩を進めていた女の子が、逆風の中を踏み出す。歪む床、バラつく壁、向かい風と視線。走れば、いつしか変わった追い風に背中を押される。藤棚が揺れる。幕は上がる。

公開された直後からその映像美と、新ヒロイン・中島セナさんの眼差しに含有された言葉に多くの人々が唸り、心を揺さぶられた方々がそれぞれの視点で感想を語り合い賑わうSNS。週末はまさに祭りのようだった。また表現が多くの人の心を揺さぶれば、当然、違和感や反対意見も散見され、かえってそれらがCMへの味わいを深めてくれた。

オンライン上で饒舌に語るのが、CMのメインターゲットの中高生よりも大半が大人という構図も面白く、わたしはスクロールする手を止められなかった。青春を終えたものほど、青春を語りたがるものなのか。わたしのそれは決して美しくもきらびやかでもなかったので、みなさんがCMに触発されて「あの頃の私」を楽しげに語っているのを見ているうちに、CMの美しさに相反して徐々に気持ちが翳るのを感じざるを得なかった。