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世界有数の無宗教国家…日本人にとって「宗教」とは一体何か?

政教分離訴訟から考える

日本では、宗教施設が公園のような憩いの場になっているのは、それほど珍しくない。近所の寺社を毎日の散歩コースにしている人もいるだろう。東京都心であれば、神田明神から湯島聖堂のあたりは散策に絶好だ。実際に公園と一体化しているように見える神社も多い。明治神宮は、パワースポット・ブームの先駆けとなった清正井がある御苑を備えているし、北海道神宮は札幌市民にとって定番のお花見スポットである円山公園とつながっている。

また、石川県の「伝説の森公園モーゼパーク」や和歌山県の「徐福公園」など、一風変わった公園もある。以前紹介したように、青森県の新郷村には「キリストの里公園」があり、毎年キリスト祭が開催されてきた。

とりわけ伝統宗教に関わる施設は土地の歴史に深く関わっていることが多く、それゆえ、地域のシンボルとみなされ、何らかの公共性をまとうこともある。だが、イメージのレベルを超えて、政府や地方自治体のような具体的な公共との結びつきとなると、それは政教分離をめぐる問題として浮上する。

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日本では1970年代以降、地方自治体による地鎮祭の催行、忠魂碑への公有地の提供、公金による宗教法人への寄付などをめぐり、政教分離訴訟が行われてきた。そして、今年2月24日、那覇市の孔子廟をめぐる政教分離訴訟で興味深い判決が下された。那覇市が公園内の孔子廟に公有地を無償提供したことを最高裁が違法としたのである。

この判決の法学的な意味については専門家の検討を待ちたいが、筆者としては、今回に限らず、政教分離訴訟において重要な論点が看過されてきたことを指摘したい。それは、日本人と宗教の関係性だ。

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