圧倒的な作り込みによる心躍る映像表現

さらに、謎が謎を呼ぶ複雑な設定が、視聴者をずぶずぶと世界観に引きずり込んでいきます。
旧約聖書、種の起源、生物の絶滅と存続……完全にロボットアニメのそれから逸脱した難解なストーリーは、視聴者による考察の的となりました。
今や、エヴァンゲリオンの考察と解説を専門としたブログやYouTubeチャンネルは、後を絶ちません。
作品について「考える」こと、そしてそれを誰かと「語り合う」ことの楽しみは、エヴァンゲリオンが作品の外にもたらしてくれた唯一無二の体験と言えます。

それに加えて、エヴァンゲリオンは映像作品としての作り込みが尋常じゃない。

アニメーションはコミック原作が多く、エヴァンゲリオンも貞本義行氏による漫画版が存在するため誤解されがちですが、エヴァの漫画はあくまでアニメ版のアナザーストーリーとして展開されるコミカライズであり(俗に「貞本エヴァ」と呼ばれています)、エヴァンゲリオンの原作と脚本はまぎれもなく庵野秀明監督によるもの。
その庵野秀明監督が、アニメーションに留まらず、あの『シン・ゴジラ』も大ヒットに導いた「映画監督」であることが、他のアニメ作品と一線を画すポイントです。

いわゆる「貞本版」コミック「エヴァ」が2021年8月には【愛蔵版】として発売される。 カバーイラストは描き下ろしでポストカードもつくという 
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しかも、エヴァにおいて庵野監督は「総監督」という立ち位置。
テレビシリーズと旧劇場版から庵野監督を支える鶴巻和哉監督と摩砂雪監督、新劇場版からは前田真宏監督と中山勝一監督も加わり、エヴァンゲリオンは庵野秀明総監督が率いる複数の監督によるチームで創られた作品であることが大きな特徴です。

彼ら複数の監督が織りなす、どのカットも計算尽くされた印象的な構図、徹底的に作り込まれたあっと驚く映像表現、予測不可能なストーリー展開により、エヴァンゲリオンは、なんだかよくわからないけど、とにかく観ていてワクワクし、ドキドキし、ハラハラする。
難しいことは抜きにして、単純に映像作品として「面白い」という表現が、エヴァンゲリオンを表す上で最もシンプルかつ的を射た評価だと僕は思います。

そして、貞本義行氏のキャラクターデザイン、山下いくと氏のメカニックデザイン、鷺巣詩郎氏の音楽、声優キャスト陣の演技……エヴァンゲリオンは、どの角度から観てもエンターテインメントとして一級品
特にキャスト陣は、今や日本を代表する人気声優ばかりで、25年前から一人も代役を立てることなく続投してくれたことは素晴らしい功績です。