「3年でやめる若者」は相変わらず3割…それはオジサンが思うような「深刻な事態」なのか?

前川 孝雄 プロフィール

また多くの企業で導入が進みつつあるジョブ型雇用では、新卒でも企業ニーズの高い専門スキルを持つ学生であれば、年功序列を崩して高給与を提供しようとする動きも出てきている。企業内組合の組織率に至っては2割を切って久しく、もはや大勢とはいえない。純粋培養の画一的な人材しかいない組織ではイノベーションも生まれないと、経営戦略として多様性を推し進めようとする動きも盛んだ。

そして何より、こうした昭和に原型が出来た日本型雇用を知らない現代の若者、特に優秀な若者ほど、自分でキャリアを築いていこうとする意識が強くなってきている。終身雇用や年功序列を信じて滅私奉公してきた親世代が、早期・希望退職勧奨の対象になるなど苦労する様子を見ていることもあり、なおさら自立意識が高まり、会社任せでは安心できないという気持ちも強くなっているようにも感じる。

実際、リクルートキャリア「就職プロセス調査」 によると、新入社員の就職の決め手は、2019年卒も2020年卒も1位は「自らの成長が期待できる」となっている。

 

卒業応援&出戻り歓迎採用へ

では、早期離職を企業はどうとらえればよいのか。結論から言うと、早期離職を問題視する離職防止一辺倒の思考を冷静に見つめ直し、むしろ健全な離職であれば前向きにとらえてみることだ。もちろんパワハラやブラック就労を強いて(もしくは強いたと思われて)不健全に短期間で辞めていくことは避けなければならない。若手が、配属された職場のみで会社全体を判断してしまい、社内での成長・活躍の可能性を知ることなく退職してしまうことも防ぎたい。

でも、若手本人の意向を面談などでよく聴き、ここは離職して次のステージに向かったほうが得策だと判断できれば、応援してもよいのではないだろうか。

人も企業も変化する。新入社員が入社時に描いたキャリアプランも、企業が新卒採用時に描いた育成プランも変化していくものだ。そもそも若いということは、まだ自我が確立していないための移ろいやすさと同義でもある。

人事や上司の「もう辞めるのか」という落胆や仁義にもとるという気持ちになることはわからなくはないが、若手本人の成長と組織としての成長が合致しにくくなり、転職・独立・起業したほうがお互いのためになると考えられるなら、気持ちよく送り出してあげてほしい。

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