日本の“出遅れ”がヤバい…じつは中国でもう「無人タクシー」が走り回っていた!

百度(バイドゥ)幹部を直撃した
田中 道昭 プロフィール

AIとクルマの意外な関係

自動運転車や交通全般を制御するソリューションを完成させた百度は、実際に自動運転車のハードの領域に進出した。今年、1月には中国自動車メーカー大手の吉利(Geely)と戦略的パートナーシップを締結し、最新のEV車の製造に百度自ら乗り出したのだ。

百度はソフトからハードに乗り出したわけだが、次世代自動車産業のすべてを飲み込む勢いにも映るが、張社長は「我々の狙いはそうではない」と語る。

「次世代自動車がいかに便利になるかは、ソフトを開発している我々の頭の中にその理想形があります。ですから我々の手で自動車のモデルケースを作れば、他のメーカーにも影響を与えて我々が提供するシステムに合致する次世代自動車が社会に定着していくことになるでしょう。つまり、テクノロジーを社会に迅速に普及するために、ハードの領域に踏み込む必要があったのです。

しかし、我々はあくまでモデルケースを示したいだけであって、ハードの領域でビジネスを拡大することは考えていません。我々はあくまでAI企業でありたいのです」

北京市を疾走する百度の「ロボタクシー」 Photo/Gettyimages
 

筆者が百度に注目した最初の機会は、2018年に開かれた世界的テック企業のカンファレンスである米CES2018だった。

百度の自動運転車は、李彦宏会長兼CEOがAI投資に全力を注いできた結果だが、彼はブルームバーグのインタビューで、今後も変わらずAI投資を続けていくと語っている。彼らのビジョンは自動運転をはじめ、便利なインフラを社会に普及していくというミッションに裏打ちされているのだ。

親日派の中国経済人が考えていること

張氏もアメリカに留学後、中国に戻り李CEOのビジョンに共鳴した一人である。張氏は、グローバルのプラットフォーマーとなった百度の海外部門統括 総責任者であることは既に述べたが、彼は日本から多くの影響を受けていた。3月25日に行った彼のインタビューは、その前日に亡くなった柔道の古賀稔彦氏への哀悼の言葉から始まった。

「古賀さんは中国人にとっても特別の存在でした。彼が金メダルをとったバルセロナオリンピックは92年。当時私は天津南開大学に通っていました。改革開放が始まって14年目。これからの飛躍を夢見る当時の若者は、同じアジア人の古賀さんが金メダルを取ったのを見て、熱狂したのです。古賀さんは世界に出ていこうとする中国の若者たちの精神的支柱でもあったのです。」

関連記事

Pick Up

編集部からのお知らせ!

おすすめの記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/