菓子研究家
長田佳子さんのセレクト

「地に足のついた仕事の仕方や暮らしをされている方々のことをリスペクトしていて、機会をつくっては訪ねています。そうしてお逢いできた生産者の作物を、買わせていただくようにしています。〈善積農園〉さんや〈ろぼ農園〉さんなどは、自然に寄り添った生産方法のため、通年商品ではなく、雑誌で紹介できないものも多い。だけどそこに四季を感じるし、地球の動きを見つめ直すようにと伝えてくれている気がして。私たちの“いま”に、軌道修正するきっかけをくれているように思います

日常茶飯の山椒ペースト

ぶどう山椒と塩60g¥1200/日常茶飯 https://www.nichijo-sahan.com

「日常がちょっと豊かになるような食卓を」という想いを込めて、旬やその土地に根付く食材と向き合いながら、料理や菓子を作っている〈日常茶飯〉。オンラインショップでは、旬の食材を使用した加工品やおいしい食材を販売している。2020年分は完売してしまったという「ぶどう山椒と塩」は、ぷっくりと大粒でぶどうの房のような形をしたぶどう山椒を、収穫後すぐに加工したもの。自然豊かな和歌山・有田川町で、農薬を使用せずに育てられた新鮮な実山椒と、熊野灘の海水を薪で炊き上げ、天日干しされた塩だけを使用している。薬味のほか、お菓子作りの隠し味にも重宝するはず。

福光屋の加賀鳶

加賀鳶スパークリング360ml¥1697/福光屋☎0120-293285

創業1625年の石川の造り酒屋。酒の原料である酒米の質を上げるためにはいい土が必要だということで、これまで60年以上にわたって農家と共に土づくりから研究し、その村の米をすべて買い上げる「村米制度」を採用している。酒米と同様に大切な水は、1世紀前に降った雨雪が100年の時をかけて地中を流れた後に、酒蔵の直下150mから湧き出ているミネラル豊富な水を使用。「加賀鳶」は、純米造りの技術を徹底的に追求することで旨さの領域を広げた看板商品。町の発展とともに営業してきた長寿企業だからこそ、事業を継続していくことはイコール、自然と地域に貢献することという意識を大切にしているそう。

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kiitosのチョコレート

(上)ペルーワヌコ産チョコレート¥800、(中)参考商品、(下)コーヒーチョコレート¥800/kiitos info@kiitos-cacao.com

障がいを持った方たちの就労支援を目指して活動している就労継続支援B型事業所 特定非営利活動法人〈Lanka〉が営む、“ビーン・トゥ・バー”チョコレートの製造工場。鹿児島の海にほど近い小学校の校舎を再利用した「ユクサおおすみ海の学校」に設立した工場で、カカオ豆の選別から焙煎、粉砕、調温、成形、包装までを一括して管理・製造している。自分たちが美味しいと感じたもの、また栽培方法がわかっているものなどを基準に厳選したカカオ豆に、有機栽培のきび砂糖だけを使ったチョコレート。今後は、鹿児島県産のオーガニックのきび砂糖でも作っていく予定だそう。

七草農場のうどん

乾麺(細麺・太麺)各¥400/七草農場☎0265-72-8745

長野・伊那市の耕作放棄地を耕し、無農薬・無化学肥料で野菜を育てている家族経営の農場。太陽熱を利用する温水器や薪でお風呂を沸かすなど、なるべく自然に負担をかけない生活をしているそう。また、生ゴミや野菜クズは60羽ほどの小規模養鶏のエサにし、鶏糞は畑に戻して循環させている。自家採種にも30種ほど取り組んでいるとか。生産したシラネコムギで作ったうどんは、無農薬・無化学肥料の国産小麦を扱っているこだわりの製麺所で製麺。ふすま入りで小麦の香りがしっかりとした太麺は、パスタのように料理しても美味。

ペザンのリーフハーブティー

ハーブティー(左から)リラックス、リフレッシュ、リセット(すべてリーフ・約20杯分)各¥1800/ハーブ農園ペザン☎076-289-6287

石川の〈ハーブ農園ペザン〉は、農薬や化学肥料、堆肥はいっさい使わず、土地本来の力を最大限に発揮できる環境づくりに20年以上取り組んでいる。収穫してすぐにフリーズドライ製法で加工しているため、穫れたての香りや美しさがしっかりと残り、熱風乾燥過程で出がちな苦味や渋みがない。また、担い手の高齢化と減少が進む農業と、障がい者や高齢者らの働く場の確保を求める福祉の課題を解決すべく、2015年より農福連携の取り組みを始めている。将来的には、障がいのある方たちが、ハーブ農家や、農家の担い手となることを目標としているそう。