生きるために、食べることは必須。食は生の根源です。そして食事は毎日のことだからこそ、何を選んで食べるかということはとても重要。それはよりよい世界をつくるために、政治家になるよりも、お金持ちになるよりも、ずっと身近で手軽にできることだから。個人の選択の一つ一つが、やがて世界を変える大きな力となっていきます。そんな信念を持つ人々に、個人的サステナブルフードを教えてもらいました。

今回は、料理人の原川慎一郎さん、菓子研究家の長田佳子さん、料理研究家・フードコーディネーターの冷水希三子さん、パン職人の木村昌之さんのセレクトをご紹介します。

料理人
原川慎一郎さんのセレクト

目先の利益だけを追求したものではないもの、素材とその環境への配慮が感じられるもの、子どもたちや次世代のことを意識した景色づくりに取り組んでいるもの、何かしらの形でその地域や社会に還元しているもの。サステナブルフードとはそういうものだと思っています。その全ての前提として、そもそも生産者自身がものづくりを日々楽しみながら、積極的に取り組んでいてほしい。“良いこと”も大切ですが、“楽しいこと”はもっと大切。楽しいことは自然に広がって行くものだと信じているから」

青果ミコト屋のにんじんジュース

自然栽培にんじんジュース1000ml¥1400/青果ミコト屋 info@micotoya.com

傷ものだったり、日焼けしてたり、虫喰いだったり、いびつだったり……。おいしくても規格外の野菜たちは、一般の流通にはのらず、農家が自家消費したり、自力で販売したり、畑の隅で廃棄されたりすることも多いという。自然栽培を中心とした野菜を定期宅配する八百屋〈青果ミコト屋〉が、そんな規格外の野菜たちを生かしておいしいジュースにしようと立ち上げたのが「ミコト屋ビバレッジ」プロジェクト。こちらは1本ずつ皮をむいたにんじんをすりつぶしてペースト状にしたものを搾汁。本来の甘みや旨みが味わえるよう、防腐剤はもちろん、香料や糖分なども一切不使用。

かま屋の焼肉のタレ

無添加 焼肉のタレ230g¥680/フードハブ・プロジェクト☎088-676-1077

農業者の高齢化、後継者不足による耕作放棄地の増加、それにともなう鳥獣被害などが大きな社会問題になっている日本の中山間地域。徳島の神山では、「地産地食」を軸に、地域で育てて、地域で一緒に食べることで関係性を豊かにし、神山の農業と食文化を次の世代につないで行くことを目的とした〈フードハブ・プロジェクト〉が活動している。その活動の一環である食堂で作られているこちらは、地元のお母さんたちが集まって作る焼肉のタレのレシピをもとに、神山産のにんにくをたっぷり使って作ったもの。唐揚げや焼き豚の漬け込み、野菜炒めにもおすすめ。

-AD-

大徳醤油のこうのとり醤油

こうのとり醤油500ml¥600/大徳醤油☎079-663-4008

今日の醤油造りの主流とも言える適温醸造(もろみを加温して発酵期間を短縮する方法)ではなく、四季の温度変化に合わせて微生物が活動する伝統的な天然醸造法を守っている兵庫の〈大徳醤油〉。杉蔵に住み着いた多様な発酵微生物がその生命活動の産物として醤油を醸していく様は、多くの生き物が暮らす田畑が、安全な農作物を育てていく姿に似ているとか。こちらは、絶滅危惧種であるコウノトリも棲める環境をつくるため、農薬を減らし、生物の多様性をとりもどす農法で栽培した大豆と、「コウノトリの舞」の認証を受けた小麦をゆっくり醸した天然醸造醤油。

たねやのぜんざい

ぜんざい1個¥400、ラベルレスぜんざい24個入り¥9600/たねや本社 お客様ご相談室☎0120-800-144

お菓子の原材料は農作物であり、創造力も自然を感じることから生まれると考えている〈たねや〉。本拠地である滋賀・近江八幡の自然豊かな土地に、自然に学び、人々が集う繋がりの場として「ラ コリーナ近江八幡」を設立。広大な敷地内には菜園もあり、原材料を生産したり、地元の山で拾い集めたどんぐりを苗に育てて植樹したりしている。人気のぜんざいは、独自の製法により、小豆本来の旨味を引き出し、ふっくらと柔らかに炊き上げた大粒の北海道産小豆と、地元近江の滋賀羽二重糯の杵搗き餅が美味。通販限定でラベルレスでのまとめ売りもしている。