「雑草は根絶やし、害虫は駆除する」…ミャンマー軍政が大量虐殺を正当化

もはや軍の本分を失った「テロリスト」
大塚 智彦 プロフィール

「雑草は根絶やし、害虫は駆除」

10日には軍事法廷が軍関係者を殺害したとしてデモ参加の市民19人に対し死刑判決を言い渡す事案も起きている。

3月27日にヤンゴン市内でバイクの乗った軍関係者2人がデモ参加の市民に襲われ、銃を奪われたうえ、殴る蹴るの暴行を受け、うち1人が死亡したことが罪に問われた。19人のうち17人は依然として行方不明で、軍が捜索を続けているという。軍事法廷は控訴のできない1審制でクーデター発生後初めての死刑判決となる。

Gettyimages

こうした軍による人権侵害、人命軽視の強権的鎮圧には国際社会の批判が高まっているが、軍はそうした批判に対しても「どこ吹く風」、開き直りを通り越し、自らの行動の正当性を訴えている。

4月9日に首都ヤンゴンで記者会見した軍のゾー・ミン・トゥン報道官はこれまで反軍政抗議活動を続ける市民への軍の対処に関して「木を育てるためには害虫は駆除されなければならず、雑草は根絶やしにしなければならない」と独自の理屈を披歴して正当化したのだった。

 

民主的な政権の回復を求め、拘束されているアウン・サン・スー・チー国家最高顧問兼外相らの解放を求める無抵抗非武装の運動を続ける市民を「害虫や雑草」になぞらえ、市民を実弾で虐殺し続ける軍を「育てられるべき木」とする思考回路には「軍は国民の生命財産身体を守る組織」という健軍の理想の片鱗もうかがうことはできない。もはや軍の本分を失った「テロリスト」の思考といえる。

編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/